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【殺し合いに】バトルROワイアル 十一冊目【終劇を】

[27:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2012/04/26(木) 02:27:42 ID:NhSvkTuk)]
 驚いて息を飲み、♂セージを見返す♂モンク。
 それを待ち構えていたように、指を口先から離して比較的草の少ない地面を指してみせた。
 右手の聖書を下ろし、手ごろな小石をつかんで土をかいて文字をつづる。

 【ここから先、口頭のセリフはすべてフェイクです】
 【『こちら』が本当のお話です】

 そして、つづられては消されを繰り返す、♂セージの数行のレポートが開始された。

 まず、♂セージは複数人のパーティを結成しており、彼らはGMと争う姿勢で行動をしているということ。
 次に、そのための協力者として♂モンクにも力を貸して欲しいという要望。
 首輪や能力制限に関するからくりと詳細、こちらの行動指針はおおむねその聖書に記してあるということ。

 それから、♀騎士について。
 ♀騎士の負傷は、傷口の経過具合から判断して、♂モンクよりは自然回復の余地があると思われる程度であったこと。
 ―故に、死亡判定をもぎ取る博打を、彼女で実行に移したこと。

 【ですので、彼女のところへは貴方が引き返してください】

 【首輪は既に外してあります。
 蘇生に成功していた場合、脈拍を再感知されては意味がありませんので】

 【死亡判定が下りて以降も、首輪の機能は死んではいません。
 首輪は同エリアのどこかに埋めるなりして隠蔽を。念のため、再結合した状態で埋めてください。盗聴にくれぐれも注意して】

 【もしも】
 【♀騎士さんの蘇生に失敗していた場合。私を煮るも焼くもご随意に。甘んじて受けます】

 そこまでを書き終えて、小石から手を放す♂セージ。
 代わりに♂モンクの手がその石を拾う。

 失敗した場合の行を一蹴し、そこに新しく文字を刻む。
 【何であの子に切り札を使った?】

 協力するか否か―それ以前に、交流の全く無い、下手をすればマーダーかもしれない人間に。

 ♂モンクの他人を量るような眼に、その言わんとするところを察して…そうきましたか、と声には出さすひとりごちる。
 最悪、勝手に危険な賭けに付き合わせたと責めを負う想定でいたのだが、そうは問屋が卸さなかったらしい。

 同時に、どこかでそれを期待していたらしい自分に気付き、うっかり苦笑いさえこぼれそうになる。

 

 『彼ら』の暴挙を止めに来たはずの自分が、『誰か』に諌められることを期待するなどと。
 …まったく、まだまだ自分には覚悟が足りないようだ。

 

 にっこりと笑顔を一つ。
 説明しますよ、と言うように手の平を差し出す。
 そんな飄々とした雰囲気を取り戻した♂セージに、♂モンクは胡散臭い奴だと言わんばかりの半眼の眼差しで石を手渡した。

 【今私の所属するパーティは、二つの異なるチームが合流して間もないニワカ仕込みの状態でして。
 元々仲間のパーティはともかく、成り行きで遭遇したチームが一体どういった方々なのか、お互いに値踏みをしなくてはいけない状態でもあるわけです。
 なので、こちらが当初に計画していた行動に支障が出ます】

 合流地点から聞こえた悲鳴に関してはあえて伏せた。
 時間を急く大きな理由ではあるが、説明のしようもない以上、話せばかえって時間を食いかねない。

 この合流が吉と出ようが凶と出ようが、どちらにしろ、若干ないしの戦略変更は必要だろう。
 【ですので、貴方がたお二人に代理をお願いしたいのです。
 私たちの変わりに、調べてほしい場所があります。そこへ向かっていただきたい】

 そして。
 【さて、先ほどの質問ですが】
 【貴方がたに私を信用していただくには、一番手っ取り早い方法かと思いましたので】

 彼ら二人がパーティである可能性は高いと踏んだ上で。
 お仲間の首輪を解除し、恩を売る形で取り入ろうというわかり易い打算が一つ。

 それから。
 【それに。
 今週の私は、どうやら女性運に恵まれているようですので。彼女が善人である方に賭けたんですよ】

 

「女性運…ですか?」
「Cool」
 肯定の言葉。ではあるが、表情は憮然とした色がありありと浮かんでいた。

 今は♀騎士が倒れていた場所からも離れ、辺りの気配に注意を払いつつ茂みを利用してただただ歩く。
 助言通り、彼女の外れた首輪は手ごろな場所に埋めた。誤作動でも起こして爆発しない限りは、第三者が発見することはほぼ不可能だろう。
「思う・ナイナイ。Here・は・女王の箱庭・ある訳ナイよ・女運」
「あはは…それもそうですよね…」
 乾いた笑みをこぼし、困ったような顔で相槌を打つ♀騎士。

 彼女としては、件の賢者は聞く限り、首輪の呪縛を解いてくれた間違うべくもない恩人なのだが…。
「あ」
「What?」
 ぴたり、と足を止めた♀騎士につられ、♂モンクもまた足を止める。

「い、いえ。大した問題ではないと思うんですけれど…。
 もしかしたら、その人に♂モンクさんの『ソレ』を相談したら、何か知恵を貸してもらえたんじゃないかな、と…」
「…A゙」

 

<♀騎士>
現在地:E-6→南か東の半島を目指す
所持品:S1シールド、ツルギ
外 見:csf:4j0i8092 赤みを帯びた黒色の瞳
備 考:殺人に強い忌避感とPTSDを持つが、大分心を強く持てるようになる。刀剣類に抵抗感 笑えるように
状 態:凍結による仮死状態から復活。HP赤→徐々に回復傾向。首輪解除済。

<♂モンク>
現在地:E-6→南か東の半島を目指す
所持品:島の秘密を書いた聖書と口紅
外 見:アフロ(アサデフォから落雷により変更)
スキル:金剛不壊 阿修羅覇凰拳 発勁
備 考:ラッパー 諸行無常思考 楽観的 刃物で殺傷
状 態:首輪解除済。ラッパー脱却のチャンスを逃し、やや凹み中。

<♂セージ>
現在地:E-6
所持品:ソードブレイカー
容 姿:マジデフォ黒髪
スキル:ファイアーボルト ファイアーボール ファイアーウォール ナパームビート ソウルストライク フロストダイバー
備 考:FCAS―サマルトリア型 ちょっと風変わり? GMジョーカーの弟疑惑 島の秘密を書いた聖書と口紅を♂モンクに譲渡
    (この後、グラサンモンクと合流)


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