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【18歳未満進入禁止】総合命令スレ24【inハァハァ鯖】

[164:死者の街の3姉妹(2014/02/23(日) 16:23:21 ID:IQcQP.KI)]
濡れ話、茶番です。
>>162

「勤勉に働いているようだな」
 ノービス服の上からエプロンを纏った姿で、玄関ホールの掃除をしているユリアーナとアニーを眺めながら、>>162は呟いた。
 普段はアリス装束なのだが、これは単なる気まぐれにすぎない。
「…アニー、もう少し丁寧に。やり直し」
「はーい…」
「自分たちの立場に、疑問を抱いていない、か」
 二人の自然なやりとりを眺めながら呟く>>162
 解放された奴隷が、それでもなお檻から出ようとしないどころか、救出者を罵ることもある。
 その手の事件の対応に当たった、ある騎士団員のぼやきだだという、都市伝説のような話。
「いや、娘達はそもそも疑問にも抱いていない」
 先述の話に出てくる奴隷の根底にあるのは、諦観と順応だ。
 ならば…
 廊下の先からパタパタと聞こえてくる足音の方に>>162は振り向いた。
 視線の先には、母のクローディアがバケツとモップを手にこちらに向かってくるクローディア。
 担当部署が終わったので娘達の手伝いにきた、と言ったところだろうか。
「勤勉だな」
「ありがとうございます」
 一礼するクローディア。
「一つ聞きたい」
「なんでしょうか?」
「お前は、あの二人と違って繁殖用に連れてこられたような身の上らしいな」
「……はい」
 肩をビクリとさせながら答えるクローディア。
 明らかに動揺しているようだった。
(昔はこの程度のことでは動じなかったと聞いているが…)
 思案する>>162
「地上に戻れる、と言われたらどうする?」
「…戻る、ですか?」
「そうだ。魔族の支配からも逃れ、地上に戻ることができる、としたら?」
「質問の意図が分かりませんん。試していらっしゃるのですか?」
 答えるクローディアの表情は憮然としていた。
「別に脱獄を進めているわけではない。純粋に、戻りたいか否かを聞いている」
「…仮に戻ることが叶ったとして、地上の何処にあの子達の居場所があるというのですか!?」
「お前が作るという考えはないのか?」
 >>162の問いに、彼女は首を横に振った。
「私がすべきことは、あの子達の名誉を、そして行いを認め続けること。それが私の義務であり、そして…償い…です…それに、今更自分にそれができるとは考えておりませんし、考えては行けないことなのです」
(良くも悪くも、人間から家畜に『堕ちた』という自覚はあるようだな)
 産み落とした娘二人を魔族の贄として育てた事が大きく影響しているのだろう。
「結局、お前が従順であり続けられたのはあの二人が大きな要因の様だな…」
「かもしれません…」
 正直に答えるクローディア。
「逆に、あの二人が居なくなれば、お前はどうなるのだろうな」
「ひっ…」
 >>162の言葉にクローディアは小さな悲鳴を上げる。
 彼女の頭の中に、娘二人の最期の映像が蘇ったからだ。
「…ここは死者の街だ。だが、死者が死なないという保証は何処にもない」
「お、お願いします。あの子達をこれ以上…」
「娘が大事なら、そんな弱音は吐かないことだ。あの二人は、互いに差し違えろと言われれば疑問を抱くことなく実行するだろうしな」
「はい…」
 そうしてしまったのは自分だという自覚はある。
 故に彼女はがっくりとうなだれた。
(一度死んだからか、それとも今生の別れを経験後に再会したからか…どのみち)
 弱くなったな。子を送り出した事で罪悪感が目覚めたのだろうか。
 >>162は仮初めの肉体を小さく震わせる彼女を見下ろしながら、そう思った。


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