【18歳未満進入禁止】総合命令スレ34【inハァハァ鯖】
[39:ギルドの参謀母娘(親子)騎士と娘友人の少年騎士(2023/07/26(水) 23:53:30 ID:.SHJIpNc)]
続きです
そこから先はよく覚えていなかった。
苦痛も絶望も、全ての感情が快楽に上書きされる。
ただ、肉同士のぶつかり合う音と、身体の奥を突かれる度に官能が駆け上がり、喘ぎ声ともうめき声ともつかぬ『音』を発し続けるだけの存在になりさがっていた。
「みろよ、すげぇ揺れてるぜ」
「ああ。こいつのご主人様はさぞかし楽しんでいただろよ」
背筋を仰け反らせる度に胸を震わせる様は、インキュバス達を大いに楽しませた。
「ま、もう楽しめぇけどな」
「ちげぇねぇ」
ギャラリーの間で笑い声があがる。
「そうだ、ご主人様達にもお裾分けをしてやろうぜ」
「お裾分け?」
「この前のプリーストみたいにバラしてから送り返してやるんだよ。時節の贈り物みたいによ」
「あーあれか。当然顔写真も添えるんだろ?」
「もちろん」
「うっわ、悪趣味」
インキュバス達が高笑いをあげようとしたその時だった。
「ガハッ?」
インキュバスの胸元が円形にめり込み、次の瞬間壁際まで吹き飛ばされる。
「人間処理場…まさかこんな所に拵えていたとはねぇ」
ねっとりとした口調とともに、一人のチャンプが姿を現した。
つきだした右手首に左手を添える射撃姿勢は、カピトーリナ寺院の教本には無い構えであった。
しかし状況から彼女がその姿勢で気弾を放ったのは明らかであった。
「てめぇは…」
「馬鹿な!人間がこの中で正気を!?」
「まさか…半端者!?」
突然の闖入者にインキュバス達が色めき立つ。
大聖堂に与する、サキュバスハーフのチャンプ。
人魔双方において『よくある都市伝説』として囁かれている存在。
「半端者!」
「混ぜ者!」
「裏切り者!」
口々に彼女を罵りながら、インキュバス達が向かってくる。
「ふふ…楽しませよねぇ」
チャンプはそう言って、インキュバス達を見据えながらぺろりと舌なめずりをした。
「殺せ!あの半端者だけは生かして帰すな!」
あるインキュバスがそう声を上げた瞬間だった。
ぶしゃっ、という音と共に、彼は首筋からどす黒い、人間でいう血液を噴き出させながら倒れ伏す。
「?」
「失礼」
レオナルダがもうろうとした意識で状況を理解しようとしていると、何者かが彼女の手を取った。
「動くな。拮抗剤を打つ」
虚空から声が聞こえると同時に、左手にちくりと何かが刺さる感覚。
「もう一人居るぞ!?」
インキュバスの一人がレオナルダの方を指さし叫ぶ
「ふむ…腰を振るしか能が無い、という認識は改めた方が良さそうだな」
言葉と同時に、女性のギロチンクロスが姿を現した。
「暗殺者だと!?」
「淫気の中だぞ!こいつも混ぜ者か!?」
「毒と共に生きる者を知らぬと見える。ならば教えてやろう」
淫気の中、その影響を受けた様子のない低く澄んだ声で彼女は言う。
次の瞬間、再び姿が虚空にとけ込み、彼女に向かった3人のインキュバスが地面から突き出た刃によって串刺しとなった。
「この混じり者がぁ!」
常人の目では到底追いきれない速度で拳を繰り出すインキュバス。
だが、眼前のチャンプは余裕の表情でそれをかわし、時に受け流す。
「腰を振るしか能がないの?混じりもの相手に悔しくないのかしら?」
「くっ…言わせておけば!」
殺意をむき出しこぶしを突き出すインキュバス。
「だめねぇ…」
チャンプは紙一重でそれを交わし、そのまま相手の懐に飛びこんだ。
腰を落とし、姿勢を前に傾ける。
「!」
「バイバイ♪」
彼女はそう言いながら、右足を踏みしめ、拳を、そして全身をバネのように打ち上げた。
「開始早々大盛り上がりだな 」
チャンプの拳に打ち上げられ、天井に首から上をめり込ませたままぴくりとも動かなくなったインキュバスを見ながら大柄の騎士−ジェダはいう。
「まさに乱パだな」
彼の隣に立つ大司教がいう。
「乱パ…?」
「どういう意味ですか?」
「乱『闘』パーティだ」
2人の後ろには、女性用僧衣を纏う司祭が2人。
ジェダの従卒である少年司祭にして稚児であるレイリ、ヴァレリアだ。
「しかし、ジェダ卿が御自ら出陣とは、存外身内には甘いようですな」
「だ、大司教様!」
レイリが抗議する。
「落ち着け『レイラ』」
女装時の名で呼ばれ、顔を赤らめるレイリ。
「単に救出部隊を送るだけではすまさん。そういうことだ」
「そ、そっすね…」
頷く大司教。
「おまえとて秘書のクルセイダーが同じ目に遭えばそうもなろう」
「ええ。聖堂騎士団と僧兵隊をかき集められるだけかき集めてカチ込みますとも」
自分はあなたと違って非力ですので。
大司教はいう。
「もっとも、肝心の秘書は永遠に人員選定中なんですがね…」
こんなに仕事をしているのに…
そう言ってため息を吐く大司教。
「クルセイダーに拘るからでは…?」
「そこは拘りポイントです」
「…私はパーティーに参加してくる。2人を見ていてくれ。手を出すなよ?」
「ご心配なく。卿の『身内』にゃ手を出しません。逃げてきた『罹災者』はこっちで保護します」
そう言って大司教が一通りの支援魔法をかけると、ジェダはアトロスの凶器を肩に担ぎ鉄火場へとかけだした。
「逃げろ!化け物だ!ここは放棄する!」
インキュバスの一人が絶叫し直後に絶命する。
「あら、逃げ…あらあら」
仕留めたインキュバスの首を掴みながら逃げる一段を見送るチャンプ。
「主賓のご到着ねぇ…」
楽しい時間はお終いね。
彼女はため息を吐き、インキュバスの亡骸を地面に投げ捨ててから背伸びをした。
「くそっ!話ついてるんじゃなかったのかよ!」
「誰と話を付けたか知らんが『騎士団とだけ』なら準備不足だ」
「「「!」」」
逃げようとするインキュバス達の前にジェダが立ちふさがる。
どす黒い体液で染まったアトロスの凶器を担ぎながらインキュバス達をにらみつけながら。
「戦いで命を落とすなら武人としても納得がいくが…貴様等の行為は納得できる範疇を超えてしまっていてな…」
「だ、だったらどうするってんだよ。正義かぶれは早死にするぜ?」
俺達を討伐しても、帰るところがあると思うなよ。
インキュバスがいう。
「心配するな…此方も騎士団とは話が付いているのでな」
ジェダはいう。
「冒険者がここで大騒ぎしたとしても、関知しないそうだ」
「な…」
「さて、遠路はるばるやってきたんだ」
軽い口調。
「せっかくの乱闘パーティだ。もっと楽しもうではないか」
しかし、その目に一切の愉悦はなく、あるのは冷徹な殺意のみであった。
read.cgi ver4.20 by GlobalNoteScript (2006/03/17)