掲示板に戻る 最初- 前5 次5 前1 次1 最新5

ときめきラグナロク Episode4.0

[237:3/3(2006/01/12(木) 05:04:43 ID:0oUQJtRE)]
俺は今、近所の甘味屋のテーブルでWIZ先輩と向かい合って座っている。
WIZ「ん〜〜、やっぱりここのプリンは最高だわ〜♪」
主人公「は、はぁ……」
プリンを口に含み、舌でころがすようにしてじっくり時間をかけて味わっている先輩。
俺はそんな先輩の向かいで、珈琲をすすりながら苦笑い。
苦笑いしつつも、そんな先輩の姿に心が和んでいくのがわかる。
あぁ、そうか。
苦いのは珈琲だったか。

WIZ「物が物だし、せっかくだから一緒に食べに行きましょ」
主人公「え?」
先輩の提案が、一瞬何を意味するのか理解できなかった。
WIZ「だから、ごちそうになるお礼にデートしてあげるって言ってるのよ、デ・ェ・ト!」
主人公「え、えぇぇ!?」
混乱していた頭が、さらに混乱してきた。
先輩が俺をデートに誘ってる?
WIZ「それとも、私と一緒じゃご不満かしら?」
その意地の悪いニヤニヤとした笑顔を見て、確信した。
俺、からかわれてるんだな。
そう思ったら、今まであたふたしていた自分が情けなくなってくる。
主人公「そんなことないですよ。美人な先輩と一緒なら、俺も嬉しいし」
普段なら言わないようなことを発言に混ぜて、ちょっと反撃してみる。
WIZ「ん。それじゃあ、さっそく行きましょうか」
あれ?

WIZ「どうしたの?私が美人だから見惚れちゃってるのかしら?」
ちょっと回想している間、ぼけーっとしていた俺に声をかける先輩。
どうやら、出かける直前の反撃は逆効果だったらしい。
具体的には不死種族・闇属性のインジャスティスに闇ブレスをかけてしまったような。
WIZ「Napalm Beat」
バンッ!!
主人公「うわっ!」
突然、目の前で小さな爆発が起こり、思わず背中を仰け反らせてしまった。
WIZ「失礼なこと考えてたでしょ」
むっとした口調で問い詰められる。
とりあえず、本気で怒ってるわけではなさそうだ。
主人公「ご、ごめんなさい、つい……」
まぁ、非は俺にあるので素直に謝れば、心の広い先輩は許してくれるだろう。
WIZ「ん、よろしい。で、こんな美人を前にして何を考えてたのかな〜?」
プリンを食べ終えた先輩が、またあのニヤニヤ顔で詰め寄ってくる。
反撃は逆効果だということを学習した俺だが、現状ではどうすればいいかがわからない。
主人公「え、えぇと……」
返答が見つからず、どもってしまった。
WIZ「お姉さんには言えないようなことを考えてたのかな〜?」
主人公「い、いや、そういうわけじゃ……」
WIZ「大人しく白状しちゃいなさい。うりうり〜♪」
そのまま先輩が飽きるまで弄り倒される羽目になってしまった。


WIZ「ふんふんふ〜ん♪」
帰り道、先輩は上機嫌で鼻歌を歌いながら歩いている。
俺はというと、その隣で相変わらず苦笑いを浮かべながら。
なんでこんなことになってしまったのだろう。
『先輩にお歳暮を』
ただそれだけの筈だったのに。
まぁ、結果的には楽しい時間を過ごせたのだが。
WIZ「さてと、このあたりで良いわよ」
先輩が足を止め、声をかけてくる。
そこはもう、先輩の家の目と鼻の先。
WIZ「とっても楽しかったわよ〜。ありがと♪」
そりゃ、あれだけ人を弄りまくったら楽しいでしょうよ。
WIZ「んー……えいっ」
ふわり、と先輩が俺に密着してきた。
ちゅっ。
主人公「え……っ?」
頬に残る、暖かく柔らかい感触。
WIZ「ふふっ、一足早いお年玉よ。それじゃ、良いお年を〜♪」
主人公「あ、うん……。良いお年を」
俺が返すのを聞き、先輩は満足げに玄関をくぐっていった。


掲示板に戻る 最初- 前5 次5 前1 次1 最新5
NAME:MAIL:

read.cgi ver4.20 by GlobalNoteScript (2006/03/17)