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ときめきラグナロク Episode4.0

[334:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2007/01/26(金) 18:44:20 ID:XLQPRrVc)]
ちょいと書いてみました。とりあえず前編です。いちおう、主人公は剣士で、剣士たんルートに入ってるってことで。
また、♂アコ、♂シーフは、それぞれアコたん、シーフたんと結ばれてる設定です(気に入らなかったらごめんなさい)
剣士たんルートとは言いましたが、ある別のキャラへのルート分岐地点です。なんのキャラなのかは後編にて。


「ぐっ……おい、これはやばいんじゃないか?」
 既に分かりきったことだが、言わずにはいられなかった。
「そんなこと分かってるっての!無駄口叩いてないでバッシュ連打しろ!」
シーフたんの叱責が飛ぶ。

 俺たちは今、絶体絶命の窮地に立たされていた。
 アコたんは回復魔法の連続で精神をすり減らし、今にも倒れようとしている。
 ♂アコはアコたんをかばって攻撃を受け続け、自分の回復で精一杯。
 アチャたんの矢をつがえる手は震え、もう照準さえままならないようであった。
 剣士たんは真っ先に敵の中心に飛び込み、おびただしい数の傷を全身に受けながら、戦い続けている。
 シーフたんも、この数の敵はさばききれず、その顔には幾筋もの流血が見える。
 ♂シーフはシーフたんをかばって、ついさっき力尽きた。
 マジたんも力尽き、遠くの地面に伏しているし、戦闘自体を得意としないまーちゃんは早々と戦線離脱していた。

「くそ!誰なんですか!こんな街中で枝を折ったのは!」
 半泣きになりながら愚痴る♂アコ。
 そう、これはテロだ。最初は、よくある小規模のものだと思った。だが、いつものようにすぐに鎮圧、はされなかった。
 アルベルタとモロクで小規模のテロが発生、勇敢な上級冒険者たちはそれらの鎮圧に向かった。そして時間差でのプロ大規模テロ。現時点でのプロンテラの勢力では、なすすべも無かった。

「ごめん……みんな……私が飛び出さなければ、こんなことには……」
 謝る剣士たん。だが、それを責めるものはいない。
 本来なら俺たち訓練生は、避難する側だ。しかし、子供が襲われるのを目の当たりにした剣士たんは、一気に飛び出していき、俺たちはそれに続いたのだ。
「剣士たんの判断は正しいって!私でも同じことしたと思うもん」
 アチャたんの言うとおりだ。剣士たんに続いたのは俺たちの意思だし、それが正しいに決まっている。

 だが。
 俺たちはあまりに無謀だった。
 このままでは全員……ッ!

 次の瞬間。

 俺の目の前に馬にまたがった巨大な騎士が立ちはだかっていた。
 その腕にはすでに剣が振り上げられていて……
 俺の精神力は尽きていて……

 そして。

 振り下ろされた。

「いやあああああああ!」
 叫ぶ剣士たんの声が聞こえる。どうやら、自分が相手をしていた敵は倒したらしい。でも……間に合わないだろうな。
 目の前に迫った巨大な剣を眺めながら、ずいぶんと冷静に、思った。
(あ〜あ、こんなことなら、剣士たんに早く告白してればよかったかな……)

一瞬時が止まった気がして。
突然、俺の全身を、ものすごい衝撃が走りぬけた。

(後編へ続く)


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