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アコたんvsメカアコたん Part6

118 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/08(火) 05:05 ID:6X9HikgA
タイトルが気になって見てみましたが、キャラのかけあいにはまってしまいました。
設定が気になり、とりあえず>>1のファイルを全部落として、次に過去スレを探してみましたが、
>>48はとっくに消えているし、前スレも落ちているようだし・・・
去年の8月の話だから当たり前といえば当たり前ですが。
どなたか保存されている方アップしていただけないでしょうか?
お願いします。

119 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/13(日) 10:34 ID:jD75zWAg
>>118
ここ内ゲバで崩壊しちゃって、殆どの人いなくなっちゃったからさ、
もうそういうのはないのよう。
ごめんねえ。

120 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/13(日) 15:41 ID:t7TZHxoI
>>118
一応1〜5保存してあるけどZIPで圧縮してあって1Mちょいくらいあるんだ
どっかこれ置いても大丈夫そうなあぷろだある?

121 名前:118 投稿日:2005/03/14(月) 01:27 ID:G/IWNLwE
>>120
ありがとうございます。
ttp://nullpo.mydns.jp/up/up.php
こちらにお願いできますか?

122 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/14(月) 19:06 ID:PeGJAE1c
>>118お待たせしました
ttp://nullpo.mydns.jp/up/updir/2735.zip
一週間くらい経ったら削除しますんでお早いうちに

123 名前:118 投稿日:2005/03/14(月) 23:05 ID:G/IWNLwE
>>122
DL出来ました。
ありがとうございました。

124 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/18(金) 17:16 ID:U42B9omo
>>117から一時間後、プロンテラ教会前の戦線は膠着状態となっていた。
遠距離攻撃に対する絶対防御魔法「ニューマ」により豆は当たらず、指弾モンク達の精密射撃の前に騎士達はその数を
次々と減らしていく
対する教会側も集団戦に慣れた騎士団による、ニューマの継ぎ目を狙っての四方からの集中射撃に防戦一方だった
状況は五分と五分だが、一つだけ顕著な差があった。それは戦闘に置いて最も大切な部分、支援だ
アコたん「みんな、大丈夫ですか?がんばってください〜」
モンク達「ありがとうな、俺達に任せといてくれ。アコたん!」

敵陣をちまちまと可愛らしく動き回るアコたんに、激戦の最中ながら騎士達の目は釘付けである
騎士A「なぜですか隊長!?あっちにはあんなに可愛いアコたんがついてるのにこっちは野郎ばかりなのは!?」
騎士B「これが仕様なんですか?俺達、悔しいです!」
トリス「うーん、なんでだろうなー…つか、俺に言うな。それに一応ウチだってなんぼか女はいるだろ、ただ…」
言いよどむトリスの視線の先には、彼と同じく、若くして騎士団の将軍に就任した女騎士がいる

騎士子たん「みんな、よそ見しない!白羊隊、波状攻撃三度目いくよ!ほら、早く!!」
げしげしと部下の尻に蹴りを入れてせきたて、先陣を切って突撃していく騎士子たん。両手の豆を思い切りぶん投げている
騎士A「ああいうのばっかりなんですよね…」
騎士B「俺もアコたんに「痛いのとんでけ〜」とかしてもらいてぇなー」
トリス「ま、この怒りを教会のやつらにぶつけてやろうぜ。ほれ、お前らもいって豆撒いてこい。右斜め前に進軍、進め!」
騎士達「オオオオオオオォ!!」
急に殺気だった騎士達を率いながらトリスの白牛隊も教会の包囲を縮めていく。その後ろから一人のまだ若い騎士が
ついていく、見ただけでも凄腕とわかる騎士が

騎士団本部で前線からの報告を聞いていたレオは一つ頷いた
レオ「そろそろ頃合ですな、団長殿。あいつを出したいんですがね、よろしいですか?」
アーサー「ふむ、ここはレオ君の読みを信じるとしようかの……迷子にならんようにきちんと送ってやるんじゃよ」
レオ「了解です。白牛将トリスに伝令、ミスティスをきっちりと教会内部に案内してやれ!」

プリたん「アコたん、大丈夫かしらね…」
白薔薇「あのバケモ…じゃない、ホムンクルスもついてるから大丈夫です…って、紅薔薇はさっきからそればっかりですね
     ならアコたんが耐えてくれているうちに、さくっと騎士団本部を制圧して帰りますよ」
プリたん「ふん、あんたに言われなくたってそうするわよ……ああ、それにしてもアコたん、大丈夫かしら…」

騎士団と教会。それぞれの最もよく切れるナイフが、お互いの喉元につきつけられようとしていた

125 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/19(土) 03:13 ID:O5VylnBQ
今、アコたんを殺してきた。どうして生き返ったのか知らんが、後悔はまた地獄でしてもらうことにした。
柄の長さが90cmはある大きなTB2HAを振りかざし、アコたんを部屋の隅に追い詰める。
アコたんの引き攣った醜い泣き顔から完全に血の気がうせたところを見計らって一挙にアコたんの
両手両足を切断。柄を通して斧の無骨な刃が肉を裂き骨を断ち切る感触がズンと伝わる。
切り口から噴出すコレステロール過剰の鮮血。すかさずFBで傷口を焼いて止血する。
慈悲からではない。アコたんの苦しみを長引かせるために。
アコたんの断末魔の苦しみだ。防音した小部屋に咆哮が殷々と響き渡る。アコたんは自業自得だが、
さすがにこちらの鼓膜が辛い。この間にシャワーで返り血を洗い流し、ついでに2HAを
研ぎなおした。作業が終わってもアコたんの叫びは続いたが、次第に途切れ、醜く肥えた腹が痙攣するのみ。
それでは仕上げ。アコたんの首を刎ね飛ばす。絶叫が止み、残った鮮血がひとしきり噴出する音が続いた。
転がった首、おまけにぶち割ってみた。中はやっぱり生き腐れだ。

アコたんよ。もう一度地獄で苦しめ。これはお前が自ら望んだ結末なんだ。

126 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/21(月) 18:15 ID:ASULh9kg
>>125の続き

プロンテラ教会前では騎士達の総攻撃が始まった
トリス「全員隊列を揃えて突撃!標的はー…ええと、アコたんでいいや」
アコたん「私っ!?」
騎士団員「うおおおっ、アコたんハァハァーーー!!」
色めき立つ騎士団員達がアコたんに突進していく。当然次々と飛んでくる教会側の豆。明らかに騎士達の損害が大きいが
訳の分からん勢いを止めることは出来ず、両者の距離が見る見るうちに縮まっていく。そしてアコたんを射程に捉えようとしたとき
ドカカカカカカッ!!
指弾モンクよりも早く、正確な射撃が空から降注いだ。軽快に連射される豆が命中し、バタバタと倒れる騎士達を確認した
『それ』は空中に浮いたままアコたんに手を振った

メカアコたん「アコたん、お待たせっ!」
アコたん「メカアコたん遅いー」
メカアコたん「あはは、ごめんごめん。すぐに終わらせるからね」
そしてメカアコたんは手にした巨大な十字架型兵装『パニッシャー』を一振りし、さらに豆を降らせる。それを防ごうと
盾を頭上にかざす騎士達の足元に、手のひらサイズの円筒形の物体が転がった
騎士A「なんだこりゃ?」
次の瞬間に円筒がパンッ、と弾けあたりに豆を撒き散らした
メカアコたん「どうだー、ぐれねーど豆らんちゃーの威力はー」
さっきまでの勢いが嘘のように騎士達が蹴散らされていく。たった一体のホムンクルスによって

トリス「一番厄介なのが出てきたな」
ミスティス「先輩、ここは僕が…」
思わず前に出ようとするミスティスを制して、トリスは教会の入り口を指差した
トリス「この豆まきの勝利条件は二つ、敵を全滅させるか、敵陣の旗を奪うかだ。だからな、俺達が全滅するまえに
    ちゃっちゃと旗を取ってきてくれよな。なぁに、今なら誰もお前のことなんて見てないからな。早く行ってこい」
ミスティス「先輩、気をつけて…」
トリス「せいぜい派手に暴れてやるさ。お前も気をつけろよ」
そしてミスティスは一人、影のように教会内に姿を消した。狙うは教皇の間だ

教皇「ふははははは、頼りにしてますぞ」
???「うはwwwwwおkwwwwwっうぇ」

127 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/22(火) 21:24 ID:vSV/cIn2
>>126よ!125じゃなくて>>124の続きの間違いではないか?

128 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/23(水) 22:53 ID:PLz.k4T.
       ,. ─- 、,,.___
      ,イ〃          `ヽ,__
.   N. {'             \
.  N. {               ヽ
.  N.ヽ`               〉
  N.ヽ`        ,.ィイ从       /
.  ヾミ.___-‐=彡'ノノノ__,ゞミ=-_rく
    lrf´ゞ“モ=ヾーf =モチ<}rv^i !   126は>>125の続きで間違いない!
    ヾト、` ̄,り「弋!  ̄´ノ ソ
       !  ̄  ii{_,.   ̄  /r'´
       ,ゝ、  iー-ー、  , ' |\
  -‐''7´ ドヽ. `ニニ´ ./;;  |  ヾ''ー-
    /   ト、 ` ー-- ´ ,;' ,イ  :|

129 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/23(水) 22:53 ID:PLz.k4T.
              ,. -─- 、._
            ,. ‐'´      `‐、
       /           ヽ、_/)ノ
      /     / ̄~`'''‐- 、.._   ノ
      i.    /          ̄l 7
      ,!ヘ. / ‐- 、._   u    |/
.      |〃、!ミ:   -─ゝ、    __ .l
      !_ヒ;    L(.:)_ `ー'"〈:)_,` /   いきなりどういうことだキバヤシ!
      /`゙i u       ´    ヽ  !
    _/:::::::!             ,,..ゝ!
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、    r'´~`''‐、  /
 !    \::::::::::::::ヽ   `ー─ ' /
 i、     \:::::::::::::::..、  ~" /
 .! \     `‐、.    `ー;--'´
  ヽ \     \   /

130 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/23(水) 22:53 ID:PLz.k4T.
  ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ       /ヽ
        ,.‐'´ `''‐- 、._ヽ   /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
       [ |、!  /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
        ゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''   ̄ ̄  |l   !ニ! !⌒ //
         i.! l .:::::     ソ;;:..  ヽ、._     _,ノ'     ゞ)ノ./
         ` ー==--‐'´(__,.   ..、  ̄ ̄ ̄      i/‐'/
          i       .:::ト、  ̄ ´            l、_/::|
          !                           |:    |
             ヽ     ー‐==:ニニニ⊃          !::   ト、

まず>>125の内容だが、アコたんが何者かに殺されるという内容になっている。
ところが>>126ではアコたんは健在で普通に活躍している。
そして、126が125の続きだとするとそこから導き出される答えは唯一つ!

131 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/23(水) 22:54 ID:PLz.k4T.
   , ‐''´~   `´ ̄`‐、
 ヽ‐'´            `‐、
≦               ヽ
≦   , ,ヘ 、           i
 l イ/l/|/ヽlヘト、      │
 |/ | ! |  | ヾ ヾヘト、    l
  ! ‐;-、   、__,._-─‐ヽ. ,.-'、
  } ' (:)〉  ´(.:)`i    |//ニ !   それは一体…
 ゙!  7     ̄    | トy'/
 !  `ヽ"    u    ;-‐i´
 ヽ  ` ̄二)      /ヽト、
  ヽ、 ー         / ゝ
   \   __, ‐'  / / \
      ̄ i::::: / /

132 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/23(水) 22:54 ID:PLz.k4T.
       ,.ィ , - 、._     、
.      ,イ/ l/       ̄ ̄`ヽ!__
     ト/ |' {              `ヽ.            ,ヘ
    N│ ヽ. `                 ヽ         /ヽ /  ∨
   N.ヽ.ヽ、            ,        }    l\/  `
.  ヽヽ.\         ,.ィイハ       |   _|
   ヾニー __ _ -=_彡ソノ u_\ヽ、   |  \  つまり、>>125でアコたんは確かに殺されていて、
.      ゙̄r=<‐モミ、ニr;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ   >  >>126に登場しているアコたんは何者かが成り代わった
.       l    ̄リーh ` ー‐‐' l‐''´冫)'./ ∠__   偽者なんだよ!!
       ゙iー- イ'__ ヽ、..___ノ   トr‐'    /
       l   `___,.、     u ./│    /_
.        ヽ.  }z‐r--|     /  ト,        |  ,、
           >、`ー-- '  ./  / |ヽ     l/ ヽ   ,ヘ
      _,./| ヽ`ー--‐ _´.. ‐''´   ./  \、       \/ ヽ/
-‐ '''"  ̄ /  :|   ,ゝ=<      /    | `'''‐- 、.._
     /   !./l    .\    ./    │   _
      _,> '´|l. ミ:ゝ、  _/,´\  ./|._ , --、 | i´!⌒!l  r:,=i
.     |     | l. /    |=  ヽ/ | .|l⌒l lニ._ | ゙ー=':| |. L._」
      l.    | l./     .!    / | i´|.ー‐' | / |    |. !   l
.     l.   |. .!    .|  /  .!.|"'|.   l'  │-==:|. ! ==l   ,. -‐;
     l   |  l.    .| /   | i=!ー=;: l   |    l. |   | /   //
       l  |   l    .|/     !│ l    l、 :|    | } _|,.{::  7
        l  |   l   ./     .| |__,.ヽ、__,. ヽ._」 ー=:::レ'  ::::::|;   7
.      l |     l  /     .|. \:::::\::::: ヽ  ::::::!′ :::|   .:/
.       l |    .∨      !   /ヽ::: `:::    ::::  ...

133 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/23(水) 22:54 ID:PLz.k4T.
         ナ ゝ   ナ ゝ /    十_"    ー;=‐         |! |!
          cト    cト /^、_ノ  | 、.__ つ  (.__    ̄ ̄ ̄ ̄   ・ ・
 
            ,. -─- 、._               ,. -─v─- 、._     _
            ,. ‐'´      `‐、        __, ‐'´           ヽ, ‐''´~   `´ ̄`‐、
       /           ヽ、_/)ノ   ≦         ヽ‐'´            `‐、
      /     / ̄~`'''‐- 、.._   ノ   ≦         ≦               ヽ
      i.    /          ̄l 7    1  イ/l/|ヘ ヽヘ ≦   , ,ヘ 、           i
      ,!ヘ. / ‐- 、._   u    |/      l |/ ! ! | ヾ ヾ ヽ_、l イ/l/|/ヽlヘト、      │
.      |〃、!ミ:   -─ゝ、    __ .l         レ二ヽ、 、__∠´_ |/ | ! |  | ヾ ヾヘト、    l
      !_ヒ;    L(.:)_ `ー'"〈:)_,` /       riヽ_(:)_i  '_(:)_/ ! ‐;-、   、__,._-─‐ヽ. ,.-'、
      /`゙i u       ´    ヽ  !        !{   ,!   `   ( } ' (:)〉  ´(.:)`i    |//ニ !
    _/:::::::!             ,,..ゝ!       ゙!   ヽ '      .゙!  7     ̄    | トy'/
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、    r'´~`''‐、  /        !、  ‐=ニ⊃    /!  `ヽ"    u    ;-‐i´
 !    \::::::::::::::ヽ   `ー─ ' /             ヽ  ‐-   / ヽ  ` ̄二)      /ヽト、
 i、     \:::::::::::::::..、  ~" /             ヽ.___,./  //ヽ、 ー         / ゝ
 .! \     `‐、.    `ー;--'´             //イ;;:::::    //〃 \   __, ‐'  / / \
  ヽ \     \   /               /  /i:::::.   //      ̄ i::::: / /

134 名前:126 投稿日:2005/03/27(日) 19:46 ID:3sjEntC2
>>127
そのとおりです、ごめんなさい&亀レスで申し訳ない
本編とは別の話なんで、責任とってそろそろ自分が終わらせてみる

プロンテラ騎士団本部

教会に戦力が集中している隙をついて、カウンターアタックをかけるプリたんと白薔薇。一気に騎士団のロビーを駆け抜ける
プリたん「このままフラッグを奪取するわよ!」
白薔薇「わかりました。でも紅薔薇、貴方の豆は?」
白薔薇が見る限り、プリたんの手には何も握られていない。この豆まきにおいてそれは攻撃手段のないことを意味していた
プリたん「ふっ、とーぜん全部アコたんにあげたわよ」
白薔薇「当然って…何を当たり前のように言ってるんですか!?それでは敵を倒すことが…」
プリたん「できるのよ、私なら」
人の文句を遮って、さらりと言ってのけるプリたんを見て白薔薇は考えた。確かに彼女なら、なんとかしてしまう気もする
優雅にして華麗な教会最強の素手プリ、『凶拳』の紅薔薇なら…

そして二人が騎士団の階段を駆け上がったとき、残っていた騎士団員からの豆が飛んでくる。慌てて階段の影に隠れる白薔薇、
しかしそのままプリたんは敵陣に突っ込んだ
プリたん「少しだけ…遅いわね」
優しくつぶやいてプリたんが、その砕けぬものがないと噂される拳を振るった後には…細くしなやかな指の間に6つ、豆があった
そのままプリたんは、騎士団員にその豆を投げつける!
すぐ後ろで見ていた白薔薇にも、どうやったのかわからない程の早業だった。さすがに舌を巻くしかない
白薔薇「なるほど。それなら防御から攻撃に転じることができますね………痛っ?」

ぺちっ、と自分の頭に命中した豆が床に落ちてテンテンと転がっていくのを、白薔薇は不思議そうに見ていた
白薔薇「(私…やられたのかな…でも、どこから…?)」
白薔薇が顔を上げてプリたんを見ると、その頬に一筋の汗が伝っている
プリたん「ご、ごめん…いやー、私二極だからDEX低くてさー。あはは」
白薔薇「あはは、じゃありません。何で後ろの私に当たってるんですか!このノーコン!!」
白薔薇は思い切り腕を振り下ろした。INT−DEX型の恐ろしく正確な投擲が、プリたんに降注ぐ


カウンターは大失敗だった

135 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/27(日) 19:47 ID:3sjEntC2
プロンテラ教会

いる…

プロンテラ教会内部に潜入したミスティスは無人の大聖堂に足を踏み入れた。丁寧に作られた木製のベンチ、祭壇そして
正面には大きな十字架がかかっている。その荘厳な雰囲気に気おされそうになりながらも、戦士の勘は強大な敵の存在を
告げていた
ミスティスは素早く視線を左右に動かし、そして正面で止め、口を開く
ミスティス「なにやってんですか、キング?」
アサシン「キング違うwwww俺はwwww聖職者wwwっうぇ」

そこにはミスティスが君主とあがめる、十字架に磔にされている逆毛アサシンがいた。襲ってくるような様子はないが…
ミスティス「あのぅ、別に聖職者だからって磔にはならないと思うんですけど…」
アサシン「うはwwwお前無知すぎwwww修正されるねwwwwこれは修行なのだYp!1!1!!!」
話していても頭が痛くなるだけなので、ミスティスは帰ろうと思った。こんな事をしている場合ではない、早くフラッグを
奪取しなければならないのだ

ミスティス「そうですか。じゃ、僕はこれで。キングも修行がんばってください」
アサシン「うはwwwおkwwwっうぇ」
くるりと後ろを向くミスティスに対して、アサシンの眼が細められる。まぎれもない暗殺者の目だ
アサシン「wwwwwww」
ミスティス「!?」
突然ミスティスの足元が裂け、巨大な十字架がせり出してくる!あまりのことに茫然とするミスティスを、十字架から
伸びてきた拘束具が絡め取り、その数秒後には、大聖堂にもう一つ生贄付きの十字架が建っていた

ミスティス「…なんですかこれは?」
アサシン「修行のwwww機械wwwww」
ミスティス「察するところ侵入者用の罠のようですが、キングもそれにひっかかってたという訳ですね」
アサシン「wwwwwwww」
ミスティス「僕らいつ助けてもらえるんでしょうか?」
アサシン「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

そろそろ痺れてきた手を見ながらミスティスは思った。やっぱりやめとけばよかった、と

136 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/03/27(日) 19:48 ID:3sjEntC2
そして教会前にメカアコたんが登場してからたった5分で、あたりに動くものはいなくなった
動体センサーで動くものは瞬時に蜂の巣にされた。物影に隠れているものも赤外線で探知され、容赦なく溜弾を背後に
撃ちこまれる。ニューマを張っていようとも、0,1秒の狂いもなく切れた瞬間を狙撃された

メカアコたん「やったね☆皆殺しだよっ☆」
アコたん「あの…メカアコたん…味方の人まで皆殺しなんだけど…?」

もはや、両軍合わせて豆に当たっていないものはいなかった。アコたんとメカアコたんを除いては
メカアコたん「じゃ、私達の勝ちだねっ♪」
アコたん「う、うん…たぶん…(汗」

今年の豆まき大会もプロンテラ教会の勝利に終わり、祝賀会が盛大にとり行われた


教皇「酒じゃ、酒を持て!祝杯じゃあーーー」
アコたん「かんぱーい!」
プリたん「乾杯。よくがんばったわねアコたん」
メカアコたん「私もがんばったのに怒られたの…」
白薔薇「頑張りすぎですよ!」

アーサー「ふむ、やはり勝てぬか…」
レオ「ま、うちの奴らもよくやりましたよ。『市街戦における遠距離攻撃』の資料も大分揃いました。後はあのホムンクルスを
   どう封じるか、それだけですから。何か手はあるはずです」
トリス「俺らもいい練習になりましたよ」
騎士子たん「来年はきっと勝とうね!」


そのころの教会大聖堂

アサシン「うはwwwwwおkwwwwwwっうぇ」
ミスティス「僕らいつまでこのままなんでしょうか…」

137 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/04/24(日) 21:14 ID:kyJ/XoOw
ジュノー戦役直前にトリスがグラストヘイムでバフォメットと戦ったらしいんだけど
彼がボスモンスターに勝つところなぞ想像できないし、でも鎌持ってるしでこんな妄想


騎士団ゲフェン支部で一人の騎士に出撃命令が下った
「GHのバフォメットを討伐…ですか?」
「そうだ、ジュノーの動きが活発化している。今の時期、魔族に後背を脅かされる訳にはいかないのでな。行ってくれるな?」
「了解です。討伐隊の編成はどのように?」
「君一人だ」
「ははは、やだなぁ司令。相手は魔族の王ですよ、なんの冗談……」
騎士は上官の顔を見て口をつぐんだ。冗談をいってるようには見えない
「ゲフェンの騎士団員はプロンテラの騎士団本部に一足先に移動させる。大隊は移動に時間を喰うからな、君は任務を終えてから来てくれ」
「いや、ちょっと待ってくださ…」
「最悪の場合相打ちでも構わん。もしくは戦争の間時間を稼ぐだけでもよいのだ、君なら出来る」
「それは捨て駒と言うのでは…」
「ペコペコと装備と二階級特進の手続きは出来ている。グダグダ言わずにさっさと行かんか!」

騎士見習いの剣士に具足を整えてもらいながらも、騎士は不平をこぼしていた
「相手は一撃で人間10人を殺す悪魔の王だぜ。魔王とやるときゃドラクエだってパーティーを組むだろう?それなのに司令ときたら」
「でも騎士様だって戦場ではいつも手柄を立ててるじゃないですか」
剣士達は憧憬の眼差しでこの腕利きの騎士を見るが、この騎士は恥ずかしそうに手をひらひら振った
「あれはペコで突進したら敵が勝手に倒れてるって感じでな、それに俺は様なんて呼ばれる柄じゃないって」
「でも騎士様は僕達の憧れだから。だから今度もきっとやって下さるってみんな信じてます!」
「そ、そうなのか?それじゃ格好悪いトコは見せられねぇしな…よーし、任せときな!やるだけやってやるぜ!」
その騎士はわりと単純だった

それが二時間前
そして今、騎士グラストヘイム城の玉座まで辿り着き、目の前に姿を見せた悪魔の王に対し騎士は…いきなり後悔していた
巨大な体躯、禍々しくそそり立つ角、不吉な輝きを放つ大鎌、クレセントサイダー…
「やっぱり止めときゃよかったかも…」

138 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/04/24(日) 21:14 ID:kyJ/XoOw
「何をしに来た、人間?」
いつでも殺せるという余裕からか、玉座から立つことなく問うてきたバフォメットに騎士は正直に答えた
「いやね、人間も忙しいから魔族に邪魔されたくないんだってさ。それで俺があんたを倒しに来たってわけだよ」
「大きな戦があるからか。矮小な人間共の考えそうな事だ。同族で討ち合うとはなんと愚かな生き物か」
「たまに俺もそう思うよ、だからさ少しだけ魔界に戻っててくれないかな。戦わずにすむならそれが一番だろ、なっ?」
騎士のナイスな提案はバフォメットに一蹴された
「魔族の王が人に、一介の騎士ごときに遠慮する必要なし。この機に街を焼き払ってくれようぞ!」
「交渉決裂、かな。いや〜、俺もちょっとムシがいいかなって思ったもんな。だけどよ…」
騎士がファイアランスを構えるのと、バフォメットがクレセントサイダーを振りかぶるのはほぼ同時だった
「さすがに街を焼かせるわけには行かないな……還ってもらうぞ。魔族の王よ!」
「人間が儂に勝てると思っているのか、最初にお前を喰らってやる、無謀な騎士めが!」

互いの武器が幾度となくぶつかり火花を散らす。ペコペコの突進力を借りた騎士とバフォメットの力が真っ向からぶつかりあう
体についた無数の傷から血を流しながらも、巧みにペコを操り旋回させながら騎士が叫ぶ
「へへっ、大した事ないなぁ!魔族の王ってのはこんなもんかよ?」
「無駄な強がりを…人間にしてはやる方だが、もう限界であろう?」
確かに騎士は想像以上に頑強でバフォメットも手傷を負ってはいたが、力の差は歴然、騎士の出血からして決着は時間の問題だった
騎士は刺し違える覚悟で、バフォメットは飽きてきたこの戦いを終わらせるべく、お互いに距離を取り、間合いを伺う
騎士がペコに拍車をかけ直進し、バフォメットも真っ向から跳躍する

その時二人の間に割って入る無数の影、バフォメットの子供達がわらわらと現れる
「やめろ、父上をいじめるなー」「お前なんか僕達が殺してやるー」
慌てたのはバフォメットだった。このままでは子供が騎士の攻撃に巻き込まれてしまう。バフォメットは咄嗟に子供達の前に身を投げ出す
「お前達、危ない!下がっておれ!」
「くっ…!」
激突の直前で騎士はペコを急旋回させる。バランスを崩した騎士はそのままペコから落下し、受身を取ることすらできずそのまま肩から落ちた
「ぐぁ!?…どじった…かな…?」
薄れていく意識の中最後に騎士が見たものは、乗り手を失いあらぬ方向に駆けて行くペコと、近寄ってくる巨大な山羊の足だった

「…バフォメット様、お怪我が」
「儂が人間ごときに傷などもらうものか。それよりこの者に手当てをしてやれい」
「分かりました・・・・・・・・・もう、大丈夫です」
「ご苦労。下がってよいぞ、アリス」
「はい、バフォメット様…」

139 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/04/24(日) 21:21 ID:kyJ/XoOw
「ん…」
おぼろげに聞こえる声で騎士は目を覚ました。そこはさっきまで自分が魔族の王と戦っていた場所と何も変わっていなかった
愛用のファイアランス、ペコペコ、バフォメット…
「バフォメット!?」
立ち上がろうとするが、重鎧を着て簡単に動けるはずもない。わたわたと這いずって逃げようとする騎士と簡単にその襟首を掴み持ち上げるバフォメット
「お、俺を食べる気か!?だがこの懐に忍ばせた三ヶ月前の生卵と聖水を見てもそんな気になるかな!・・・・・・うわっ、全部割れてる!?」
「こんな人間を認めるべきではないかも知れぬが…いいだろう、お前に免じてしばし儂は人間界を襲うまい」
そう言ってバフォメットは騎士をペコの上に乗せた

「なんで助けてくれるんだ、あんたが勝ってたはずだろ?」
今更だが体中の傷が癒えている事に気づき、騎士はペコに乗ったまま、きつねにつままれたような表情をした
「儂の子供を避けたが故に勝負に水をさされた。改めてお前とは決着をつけたいと思ってな」
「ただ驚いてコケただけなんだけど。しかし子供を守ろうとするとはねぇ…魔族もなかなか情が深いんだな」
「人間と同じ、親子で殺しあうモノもいれば、そうでないモノもいる。だが勘違いするな、魔族にとってお前ら人間は所詮食い物にすぎん」
「俺達も他の生き物食べてるからどうこう言う気はないよ。でも、人間だって黙って喰われるままじゃないと思うぜ」
少し笑って騎士はぼろぼろになったマントを翻した。早く戻らねば戦争が始まってしまうかもしれない

去り際にバフォメットは騎士に尋ねた
「お前も戦に行くのか?」
「ああ、貧乏暇無しだからね」
バファメットはさめざめと蒼い輝きを放つ一本の大きな鎌を取り出し、騎士に手渡した
「これを貸しておいてやる」
「いやー、丁度よかった。俺火ランスしかもってないし、ありがたく貰っとくかな」
「儂に傷をつけた人間にゴミ共の戦などで死なれるわけにはいかんのでな。貸すだけだぞ、いつか返しに来い。そして儂に喰われろ」
「今度は負けないぜ・・・じゃ、俺は行くよ。ありがとな」
そして騎士の乗ったペコペコはGHを後にした。バフォメット一家は城のバルコニーからプティット平原を駆けていくその姿を見送っていた
「父上、なんで人間なんかに大事な武器をあげちゃったんだよ、あれ本物だろ!」「絶対あいつ分かってないって、貧乏そうだから売っちゃうかも」
「よいのだ、すぐに取り返してくれるわ」
この騎士より強い人間なら何人もいた。しかし死んで欲しくないと思った人間に会ったのは初めてだった

「人間よ、名は?」
「んー、魔族に覚えといてもらう程たいした名前じゃないんだけどな…、ーーーだ」

140 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/05/01(日) 00:06 ID:lTqerSvg
>>137-139
ええ話やのぅGJ
ところでトリスがクレセントサイダー持ってるって設定が出た時代はまだACでバフォ狩れたんじゃなかった?
いや、騎士持ちじゃないんで詳しい事知らないけど・・・

141 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/05/01(日) 00:07 ID:lTqerSvg
すまない、あげちゃったよ

142 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/06/10(金) 19:55:14 ID:6uOX7XsU
関係ないけど、スレタイが一瞬「アコたんvsメスアコたん」に見えてしまった。

143 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/06/29(水) 13:06:39 ID:GGFbOwXw
>>125


TB2HAとはなんだ!これは例の斧でクソスレの1を惨殺するコピペの改変のようだが、
これはあくまで斧でなくてはいけない!殺人者の力強さと残虐さを出すには斧が一番いいんだよ!

144 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/07/10(日) 15:50:42 ID:BiZntrUI
需要ないかもだけど久しぶりに>>105から繋げてみる

アサシンが両腕に付けたトリプル カージング ジュルをがばっと盛大に振り下ろす
「おkっっっっっっwwwww」
「ウム」
自信ありげなアサシンに続き,メカ悪たんも訳のわからん空間にその姿を消した。
彼らが消えた後を怖々と覗き込むトリス
「ホントに入っても大丈夫なのか?」
「他に方法もあるまい」
そして>>94に続くのだが…

一方のプリたんは,その空間を前にしばし考えていた
「あいつらはここから行ったようね」
「そのようですね。三重の呪界による空間の歪み…紅薔薇,貴方もここから?」
「ここからニプルヘイムのモブが出てきたのも確からしいし…行くわ。メカアコたんは?」
白薔薇は黙って,首を横に振った
「アルケミ博士が調整を続けていますが,まだのようです…」
「そう…」
人間に近い感情回路を搭載している影響なのだろう,メカアコたんは相当ショックを受けたようだ
ほとんど機能停止してしまっていた。

プリたんは重い空気を振り払うように,少し無理に笑うと白薔薇と真っ直ぐ向き合った。
「じゃ,行ってくるわね。プロンテラの護り,任せたわよ」
「ええ,貴方もお気をつけて。神のご加護がありますように」
長身のプリたんとは身長差がかなりあるため,少し背伸びをして祝福を施す白薔薇
お互いこうするのは久しぶりで少し照れる

そして
くるりと法衣の裾をなびかせて,謎空間に向き直ると,プリたんも二プルヘイムへの道を歩き始めた

145 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/07/13(水) 03:50:19 ID:K1cRtqyY
不砕の剣

それは剣
何の変哲もない両手剣
それは刀
何処にでもある一振りの刀
それは剣
滅びた国の剣士が振るった両手剣
それは刀
刀匠の魂が篭り、武士が命を託し死後も振るった刀
それは剣
どこにでもある両手剣
それは刀
どこにでもある一振りの刀
だがそれは
子を想う父の魂
だがそれは
友へと託した武士の魂
それはツヴァイハンダー
子を想う父の気持ちは決して砕けず
それは正宗
武士の志は決して砕けず

二人の魂 騎士の背に
二人の魂 騎士と供に
全てを裂くも
全てを守り
全てを守るも
自分を裂く

気高き騎士の魂は決して砕けず

故にその剣 不砕の剣と呼ばれる。

146 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/08/14(日) 10:28:31 ID:QssW/LGo
ハイーキョ(・∀・)

147 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/08/21(日) 19:45:18 ID:cp1vRVUA
>>94の続き

トリスがほくほく顔で黒猫を拾っていると、背後でメカ悪たんの声が響いた
「カカカカカッ!!ろーどおぶですダカ何ダカ知ランガ私ニタテツクトハイイ度胸ダ!褒美ニブチノメシテヤロウ!!!」
少しそちらに目をやると、大きな軍馬に乗った白い騎士がいた。その体は、絶え間なくちらつく青白い焔に包まれている
確かにそこにいるのだが、その巨大さにも関わらず、トリスは全くその接近に気づかなった
まるで亡霊のように・・・

「喰ラッテ跡形モナク散レッ・・・ふぁいなるすてーじ!!」
その言葉を皮切りに、メカ悪たんのあらゆる兵装が火を噴いた。両腕からはガトリンクが絶え間なく打ち出され、
胸部からはロケット弾が、口からは火炎が吐き出され、そして辺りは爆煙で包まれた
「熱っ!」
「うはwwwwやりすぎwwwwwwっうぇ」
トリスとアサシンの二人は危うく巻き込まれかけ、慌ててその場を飛び退く

時間にして数十秒といったところだろうか、えらく長く続いた炸裂音がやっと途絶えた時、トリス達の目の前は一面
硝煙に包まれていた。と、それまで腕組みをして突っ立っていたアサシンが、ジャッキッっとカタールを腕に嵌める
「決まったなwwwww」
「?」
勝負がついたのなら今更戦闘体勢を取る意味はない。アサシンの行動に怪訝そうな表情をトリスが返した時、白煙の
中から、人間の頭程のモノが転がってきた
「え・・・!?」
「む」
トリスとウスラーが言葉を失う。それはメカ悪たんの頭部パーツだった

そして一人の風が辺りを吹き払った。煙の中から悠々と歩み寄ってくるロードオブデスの姿が見える
「『白い影』かッ…」
トリスは自分の呻くような声が、メカ悪たんの頭部から発せられたような気がした

148 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/08/28(日) 17:56:32 ID:JzpGOLeI
「うはwwwおkwwwwwwwっうぇ11!!1!!!!」
なにやら奇怪な叫び声をあげながら、アサシンがLODに飛びかかっていく
「いや、おkじゃねーだろ。メカ悪たん壊れてるし」
思わず呟くトリス

しかし、メカ悪たんですら一瞬のうちに解体されたというのに、彼の動きには怯みの色はない。まるで自分に攻撃が
当たる事はないとでもいうかのように、大胆にLODに肉薄する。それに合わせて突き出されるLODの槍は、必殺の
鋭さだったが、しかし
「wWw」
どこか余裕さえ感じさせる笑いを浮かべたまま、アサシンもまた人間外の動きで避ける。
「全て完全回避とは凄いな、さすがオーラバトラーだぜ」
「要約するとまぐれ、だと?」
「いや、ここまで続くとまぐれというより実力なのかも…」
「ふむ、運も実力のうちということか」
そう、アサシンはその素晴らしいリアルラックにより、敵の攻撃を完全に無効化していた。その動きを感心して眺める
トリスとウスラーが揃って小さな声をあげる。
『あ』
それはLODの乗る馬の足が、アサシンの回避した先に踏み下ろされた瞬間でもあった
ぷちっ、と踏み潰されるアサシン
別に馬に攻撃の意志があったわけではないのだろう。ただ足を動かしただけだ
トリス「・・・・・・」LOD「・・・・・・」馬「・・・・・・」

やや、沈黙に気まずさを感じたのだろう。LODが気を取り直すように槍を構える
それに答えるように、トリスも槍を構えた
「メカ悪たん、アサシンさん。仇はとるぞ!」
そしてLODに突進したトリスの胸を槍が貫くまでに、そう時間はかからなかった

「私が出るまでもなかったかもな・・・しかし、これで邪魔は入らないというわけだ、ゆっくりと仕上げるとしよう」
そう言ってLODは踵を返し、その居城へと消えた

149 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/09/04(日) 12:15:23 ID:gJE20Vvc
焦土と化した地を、紫の法衣に身を包んだ一人の女が歩いている。法衣自体は普通のものだが、着ることを許された者は少ない、高僧の証
女は美しかった。長いルビー色の長髪、ゆるやかに切れた目尻、固く結んだ赤い唇。均整の取れた長身と相まって
絶世の美しさを醸し出している。
しかし、この地では美しさになんの意味もないのかも知れない。全てが死んでいる死者の町では

そして女は破壊が最も激しい場所、つまり焦土の中心に着き、頭を巡らした。それに合わせて揺れる髪がサラ…と音を立てる
焦げた土とばらばらの金属部品と…死体。それがそこにある全てだった
女はやや不機嫌そうに眉をしかめたが、それらに女は歩み寄った

死体の内、一つは騎士だった。身につけた鎧の形でプロンテラ騎士団のものだと分かる。その鎧は胸部が粉々に砕けていたが
その原因は容易に知れる。騎士の胸に突き立った巨大な槍が背中まで貫通し、大地に刺さっている
そのため騎士は仰向けに倒れていながら地面に背が付いていない。さながら昆虫の標本のように串刺しにされている
女プリーストは、ヒールを唱えるでもなく、冥福を祈るでもなく…いきなりその槍を蹴飛ばした!
「さっさと起きなさい!」

衝撃は気体より液体、液体より固体の方がよく伝わる。騎士はそれを実感していた。プリたんの蹴りの衝撃は槍を伝わり
騎士の体にも容赦なく伝わった
「…!…!?…がっ!…ごふっ?…が、がはぁっ!?」
いまだ標本状態のまま盛大に喀血するトリスを、プリたんは観察者の表情で冷ややかに見守った
「…な…何、しやがる…んだ…?」
「やっぱり生きてたのね。さ、アコたんを助けにいくわよ」
「さ、…じゃねーだろ!死ぬかと思ったぞ!」
「胸を貫通されて死んでないほうが驚きだわ…それより、それだけ元気ならもう立てるんでしょ?」
「まぁ、…一応…」
どうにも納得できないまま頷くトリスにプリたんは優しく手を差し伸べた

「ほら、起こしてあげるわ」
「ああ…ありがとう…」
半信半疑でトリスも手を伸ばすが、その手は空しくすれ違った。プリたんはトリスの槍に手を伸ばすと、そのまま引き起こした!
トリスを引き起こしたプリたんが、軽々と巨大な槍を引き抜く。当然穴が開いているトリスの胸と背中からは、勢いよく血が溢れだす
「ぐはぁっ…がっ、…っ……ウスラーッ…!」「む」
血まみれになりながら、破れかぶれに叫ぶトリスの声に応えて、右腕のウスラーがその再生能力を発動させる
トリスの胸から出血が止まり、次に急激に肉が盛り上がり胸の穴を埋めていく
「おお、人体の驚異…じゃなかった、人外の驚異よね。むしろバケモノ?」
「死ぬ…もう死ぬ…今度こそ本当に死ぬ…」

150 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/09/04(日) 12:16:35 ID:gJE20Vvc
ひとまずトリスが息を吹き返したことを確認すると、プリたんはその歩をもう一つの死体に向けた
地面にぺったんこに張り付いている。こちらは衣装からしてアサシンのものだった
トリスによるとLODの攻撃を避けていて、馬に踏み潰されたのだという

「こいつって運がいいんだか、悪いんだか分からないわねー」
そういいながら、どこからともなく取り出した自転車用の空気注ぎをアサシンの口に捻じ込む
しゅこ、しゅこ、しゅこ…
空気が注がれるとともに膨らんでいくアサシンの体。プリたんは無心に空気を注ぎ続ける
しゅこ、しゅこ、しゅこ、しゅこ、しゅこ、しゅこ、しゅこ、しゅこ、しゅこ、しゅこ、しゅこ、しゅこ……
そしてはたと手を止める
「あら、入れすぎたかしら?」
気が付くとアサシンの体は、元の二倍の体積に膨らんでいた。まるでカエルのようなアサシンの腹に向けて、
プリたんは強烈なボディーブローを放つ!
「ぐwwwwwwっうぇ」
それこそカエルのような奇怪な声をあげ、アサシンの口から声と、空気が漏れる。そのまましゅるる〜とジェット風船の
ように空気を噴出して、アサシンは飛んでいった
「そこまで入れてない!」
「うはwwwwおkwwwwwっうぇ」

アサシンは今だ宙を飛んでいたが、ともかくOKらしい事を確認して、プリたんは残った金属部品に目を向けて、目が合った
「悪たん…」
「ガ…ガガ…」
異様な音を発しているメカ悪たんの頭部を掴み、手に提げる。
「壊れてるっぽいけど、目から怪光線位でるかも知れないわね」
「……」
それきり沈黙するメカ悪たん

そしてプリたんは唇を一舐めして、走り出した
「さーて、皆行くわよ。今助けてあげるからね、アコたん!」
「うはwwwwwまってwwwwwwwプリたん」
「ウスラー、俺達も行くか」「さっき敗北したばかりだというに、これだから人間は…」
そして一行はLODの居城へ向かった

151 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/09/19(月) 19:43:29 ID:19Y8zCW2
死者の街ニプルヘイムの中心にその城は佇んでいた。LODの居城を前にプリたんは気を引き締めるように声を出した
プリたん「ここね、アコたんの捕らわれている場所は」
アサシン「うはwww小さい城だwwwww」
アサシンの言う通り、その城は死者の王が住まうには小規模だと思える。戦用の砦程度だろうか。だが、城は時折脈動
しているかのように揺らぎ、その全容ははっきりしない
トリス「まさか、生きている城か?」
ウスラー「矛盾が二つ。城は無機物だ。そしてここは死の世界だ」
トリス「それもそーだな」
ウスラーの返答に本当にトリスは納得したらしい。まるで誘っているかのように開放されたままの城門から、無警戒に
すたすたと城に向けて彼は歩きだす。その襟首をプリたんが慌てて掴んで止めた

プリたん「何考えてるのよっ!見つかるじゃない!」
トリス「いや、時間がないって言ってたから」
アサシン「うはwwww騎士wwww単純杉wwww修正されないねwwwっうぇ」
ウスラー「既に見つかっている。後方に生体反応多数」
ウスラーの言葉に全員が振り向いた先には、数えるのが大変な位のブラッディーマーダーがそれぞれの獲物を振りかざしている
『殺セェェェ!』
『うわわぁっ!?』
一同は慌てて全速力で走りだした。すぐに開きっぱなしの城門をくぐり、それを閉めにかかる。が、両開きの巨大な
扉はなかなか動いてくれない。本来は兵士数人で動かすものだから当然だ

トリス「ウスラー、頼むよ」
ウスラー「よかろう」
右腕のホムンクルスがそう答えると同時に、トリスの全身に人間を超えた力が満ちる。ゆっくりとだが淀みなく、扉の片方が閉じていく。
プリたん「ん〜〜〜〜!」
アサシン「うはwwww流石だなwwww」
プリたん「あんたも手伝えっ!」
なんとかプリたん達の方も扉を閉めることに成功し、ほっとした時扉の向こうから凄まじい衝撃が叩きつけられる!
ドガアァッッ!
プリたん「くっ…」
城門が内側に10cm程押される。先程のブラッディーマーダーが体当たりをしているのだろう
ウスラー「相手の方が力が上なのだな。このままでは持たないぞ」
トリス「そうか、困ったな」
アサシン「うはwwwこいつらwww困ってやがるZEwwwwっうぇ」
プリたん「困ってるのはあたし達もなんだけど…」

152 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/09/19(月) 19:43:58 ID:19Y8zCW2
少し思案した後、トリスはふと思いついた。自分の獲物が決して壊れない事を
[+8ソリッド ウルヴァリン ハルバード]
これをかんぬきにすれば少しは持つかも知れない。少なくとも、他の二人がアコたんを助けに行く位の時間は

トリス「というわけで、俺がここを支えてるから」
プリたん「支えるって…一人じゃ無理よ…」
アサシン「馬鹿ヤロウwwwwお前www死ぬねwwwww」
トリス「時間がないんだろ?それにさっきアサシンさん言ってたでしょう、騎士は単純だって。なら俺は正面から行く」
ウスラー「それでお前達が奇襲組というわけだ」
プリたん「…わかったわ」
アサシン「うはwwwプリたんはwwww任せろwwwww」
トリス「頼むよ、アサシンさん。アコたんにもよろしく」

軽く二人に手を振ると、トリスは背中から長大な槍を下ろし城門の閂に引っ掛ける
トリス「ひとまずはこれでよし、と。後はあいつらがなんとかするだろ」
ウスラー「それまで我等が生きていればよいのだがな」


全速力で、建物棟へと走るプリたんの表情に辛そうな色が浮かぶ
アサシン「彼がwwww心配か?・?・???」
プリたん「少しね…」
アサシン「大丈夫wwwwあいつはwwww死なない」
プリたん「知ってるわよ!でも…!」
今のプリたんに出来ることは全速力で走る事だけだった。一刻も早くアコたんを取り戻す、そして帰る。みんなで
プリたん「もっと早く走るわよ、アサシン!」
アサシン「うはwwwwwおkwwwwwっうぇっうぇ」

後ろでまだかすかに騒音が聞こえている。その音が聞こえるうちは大丈夫なのだと自分に言い聞かせて、プリたんは
走り続けた

153 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/10/20(木) 05:08:28 ID:61ms6ZHM
久々に萌板見たら真っ青だったから落ちちゃったのかと思ったよ

154 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/10/28(金) 13:26:32 ID:nvgVJFzY
長閑な昼下がり、お昼寝メカアコたん
メカアコたん「むにゃ・・・・むにゃ」
メカアコたん「当たれ〜!!」突然叫ぶ!!
はるか遠方より聞こえる爆撃音と男性の悲鳴
アサシン「なにwwwwwwwこれwwwwwwうはぁwやばいじゃんwwwしぬうぅぅwww」
メカアコたんの寝ぼけたフェンネルの一撃一斉射撃により
なぜかアサシンは消し炭に
それでも起きないメカアコたん、果たしてどんな夢をみているのやら

155 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/11/04(金) 06:12:51 ID:rf0B71fk
パート6にして初めて見に来たけど面白杉
>何Mあってもダメなときはダメ

テラワラスwwww 職人さんGJ

156 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/06(火) 08:48:12 ID:oeSQkDRE
>>152の続き

LODの居室,その巨大な扉はプリたんを迎えるかのように,音もなく開いた
まずプリたんの目に飛び込んだのは,巨大なLODの姿ではなく,その奥,石棺に鎖で拘束されたアコたんだった
アコたん「ぁ・・・お姉様ぁ…」
その弱々しい声とやつれた表情から,ひどく衰弱しているのだと知れる
プリたん「よかった。生きていてくれたのね,アコたん。すぐに助けてあげるから待ってなさい」
そしてLODを真っ向からにらみ据え,メカ悪たんの生首を床に置く
メカ悪たん「生モノジャナイゾ?」

つかつかと歩み出すプリたんの前をアサシンの背中が塞ぐ。その背中は再戦の意志を語っていた。
アサシン「決着をWWWつけようぜw我がライバルwwww」
馬「ヒヒーン!」
LODの白馬もそれに応えるかのように,鼻息荒くアサシンに相対し,軽く蹄で床を掻いた
なぜか自然な対決姿勢を見せる二匹の珍獣をよそにプリたんはLODに向き直った

プリたん「ありがとう,アサシン。これで・・・思いっきり殴ってやれるわね」
馬から下りてみれば,LODもさほどの大きさではない。プリたんの拳も十分届く。そしてプリたんはゆっくりと古武術の構えを取った
プリたん「さて,審判の時間よ!」
そして一息でLODとの間合いを詰めた

低く構えたプリたんの拳が伸びる前に,巨大な槍を軽々と繰り出すLOD。その一撃は騎士の金属鎧すら軽々と打ち抜く威力を持っている
が,プリたんは軽く手のひらで槍を弾く。下手をすれば手の骨が粉砕しかねない威力を,完全にコントロールし直撃を避けた。
狙いを外したLODの槍は,プリたんの赤い髪を数本千切り,横に流れた
プリたん「…はぁっ!」
そのまま踏み込んだプリたんの左手がLODに迫りー,拳を叩き込んだ!

ーが,プリたんの拳をまともに食らったにもかかわらず,LODはさして気にするでもなく佇んでいる
メカ悪たん「私ノ全力射撃デモ効カナカッタカラナ…ドウスルノダ?」
プリたん「知っているわ。そのための用意もしてきたし」
プリたんは法衣の内ポケットから,小さなケースを取り出した。パチンと留め金を外すとケースの中には液体の入ったガラス管が
数本並んでいる。その内の一つを取り出し,栓を開けると拳に液体を振り掛けて囁く

プリたん「…アスペルジオ」

清めの力を帯びたプリたんの拳が薄く輝き始める

157 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/18(日) 20:41:54 ID:FnK6f0i6
      ∧∧  ∧∧   ∧∧   ∧∧
    ヽ( ゚∀゚ )人( ゚∀゚ )人( ゚∀゚ )人( ゚∀゚ )ノ
    へ(   )  (  )  (   ) (   )へ
       く   / \   / \  ノ

158 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/01(日) 22:35:07 ID:SI3WHEb2
息を吸い,止めると同時に踏み出す
相手の獲物は長大な槍だ。当然こちらの攻撃より先に当たるであろうその攻撃を読み,プリたんは拳を突き出した。
ほぼ半身の姿勢はLODの目標を失わせ,槍はプリたんの法衣を掠めて後方に伸びる
「はっ!」
聖なる力を込め,裂帛の気合いとともに突き出された拳が,今度こそLODに突き刺さる

LODの巨躯が揺らいだように見えた次の瞬間,プリたんを横薙ぎの槍が襲った。大きく飛び退きたい衝動に抗いながら,さらに
プリたんは踏み出しLODに密着する。獲物が長大な分,こうして接近していればそうそう攻撃は喰らわないだろう。反面プリたん
の素手の間合いは接近戦に極意がある。
「そろそろ・・・終わりにするわよ!」
そして零距離から,更に一歩踏み込み擦れ違いながら思い切り,その『凶拳』とも呼ばれる拳を,LODに突き刺した
そしてそのままプリたんは後ろに吹き飛ばされる
「ーっ!?」
確かに拳は通したはずだ。その手応えはあった。しかし・・・LODはそのまま体当たりしてきたのだ
動きを妨げられる事を嫌って,ほとんど防具を付けていないプリたんはそのまま地に崩れ落ちた
内臓を痛めたのだろうか,激しく咳き込んだ口の端から一筋の紅が流れた
「かっ・・・は・・・!」
「嫌ァ,お姉様ー!」
アコたんの悲鳴が虚ろに室内に響く

そのとき,首だけになっていたメカ悪たんが作動音を立て始める!
「じゅのーノ科学力ハ・・・世界一イィィイ!」
「メ,メカ悪たん!?首だけで何をしようっていうの?」
アコたんの心配をよそに,メカ悪たんの眼部が開き中から複雑な形状の銃架が伸びる
「紫外線照射装置作動ォォォオ!」
「GUUUUU!」
紫の光線がLODに命中し,そこからLODの鎧がひび割れていく。膝を着くLODを見やり,メカ悪たんは側に倒れているやはり
紫の服をまとった人間に声を掛けた
「瞬間的ニダガ,コレデ十分ダロウ?紅ノ薔薇ヨ」
「ええ,ありがとうメカ悪たん」
そしてプリたんは立ち上がった。まだ足はふらついて,先程痛めた腹部を左手でかばっているが,それでも歩を踏み出す

159 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/01(日) 22:37:36 ID:SI3WHEb2
「もう動けないでしょう。私の拳はね・・・特別製なの。旧式殴りプリの拳は降魔の拳。加えてメカ悪たんの紫外線・・・・・・そして」
ゆっくりと歩きながらプリたんは法衣の内から,大降りの十字架を取り出した
「プロンテラ大鐘楼の鐘,溶かして創った銀十字。こいつを喰らって平気な化け物なんていないわ」
もうLODの眼前に迫り,大きく十字架を振り上げ・・・一気に振り下ろす!
十字架はLODに深く刺さり,ぞぶりと嫌な手応えがプリたんの手に伝わった
「私のアコたんを返しなさいっ!!!」
プリたんの拳が十字架を撃ち込み,完全に体内にめり込ませた

「あ,お姉様・・・怪我が・・・」
「良いのよ,それより少し休みなさい。さ,背負ってあげる」
プリたんに背負われてアコたんは,目を閉じた。背中から伝わるぬくもりを感じながら,アコたんはそっと呟いた
「ありがとう・・・ございます・・・」

「で,あんたは何やってんの」
気がつけば傍らに,巨大な白馬に乗ったアサシンがいた
「うはWWWこれ俺のWWWwWw」
「ふぅ,会話にならない相手というのは,疲れるわね」
「乗れWWWWっうぇ」
更に色々と疲れてきたので,プリたんはアサシンの言うとおりにすることにした。が,馬は動かない
「ちょっと,早く帰らないの・・・?」
プリたんが土を掘る音に目をやると,馬がLODの骸に土をかけている。それを優しい目で見つめるアサシン
「LOD・・・俺以外にお前が背を許した唯一の男,その気持ちは分かる・・・!」
「さっきまであんたが対決していたの,自分の馬だったんかい!」

城門前の広場で,一人の騎士が佇んでいた。彼の右腕には適当に布が巻き付けてある
「生きてるみたいね?」
「なんとかね」
辺りには無数の,数えるのが面倒な程のブラッディマーダーが転がっていた。どれの死体もひどい傷跡がある。槍でめった打ちに
したような傷が。そしてなぜか騎士の足下には,黒い砂のようなものが人型に落ちていた。
「貴方が・・・これを?」
「だいたいは俺が」
プリたんのこれが何を指しているのか分からなかった訳ではないのだろうが,騎士ははぐらかすようにそう答え,プリたんもそれ
以上は聞かなかった。いつになく騎士が疲れているように見えたからかも知れない。
「帰りましょう,みんなで。私たちの街,プロンテラに」

160 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/01(日) 23:31:55 ID:SI3WHEb2
お正月ネタ

「もう1月なのね・・・やはり私が・・・行かないと・・・」
「ふふふ,無理しなくてもいいんですよ,紅薔薇。貴方は怪我が治りきっていないでしょう」
「お姉様,私が行きます!立派に紅薔薇のつぼみとして代役を果たしますからっ」
「私も,私も〜・・・って何するんだっけ?」
「そうね,じゃ頼んだわよ。『巫女バイト』」

IN アマツ
アコたん達は紅白の巫女服に着替えていた
「白薔薇様,素敵〜」「ありがとう,アコたんもよく似合ってますよ」「私も着てみたの!」
初めて着る和服にはしゃぐ3人。そして仕事が始まった
境内の掃除,商品の搬入,アマツ式の礼儀作法等々・・・もともと神職だけあって呑み込みは早い
「でも,よその神様奉ってていいのかなぁ,メカアコたん?」「いいと思うよ。たぶん」
根拠はない
「ま,まぁ,たまにならいいでしょう。それにここアマツなら,みーちゃんもきっと見てくれるはず・・・」
動機が不純だ
そうこうしている内に,初詣客がちらほらと訪れ始めた

「ええと,まずお清めの塩だよね。いってきまーす!」
カタパルトなしの垂直離陸を行い,バーニアを吹かしたメカアコたんが空から塩を撒く。それは撒くと言うより『散布』だった
「メカアコたん,撒きすぎだよ〜」
「なんか農薬撒いてるみたいですね・・・」

「ありがとうございます,おみくじ一回100zです」
「大吉20%,中吉20%,吉20%,末吉20%,凶5%,大凶15%の確率なんだよ〜」
「メカアコたん,それは風情が無くなるからしゃべっちゃダメだって」

「次は御魔払いですね。この一年間,悪いものから家を守ってくれた破魔矢を焼くんですよ」
「じゃ,悪いものをプラズマキャノンで分子レベルまで滅却するね!」
「火炎放射器で焼いたほうがいいんじゃないかな?」

そして一日が終わって
「結構バイト代頂けましたね,白薔薇様」
「そうですね,だけどみーちゃんは・・・。仕方ないです。アマツ名物のあんみつでも食べて帰りましょう。」
「わーい♪」

161 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/12(木) 23:23:18 ID:uRiDLuxY
>>159
アサシンは白馬の王子様だったのかw

162 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/12(木) 23:23:56 ID:uRiDLuxY
ageちゃった、ゴメン

163 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/03/03(金) 21:32:35 ID:8I85j0tU
今日は雛祭り
RO内じゃ特にイベントなさそうだけど
いつもの時事ネタの方降臨希望

164 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/03/05(日) 01:50:55 ID:Ein3QAMo
〜アマツにひな壇が設置されました〜

アコたん「メカアコたん,知ってる?アマツにひな壇が出来たらしいよ」
メカアコたん「ひな壇ってなに?」
アコたん「さぁ?私も知らないの。だからね・・・見に行こうよ!」
メカアコたん「うん!」

プリたん「ふぅん,そう。アコたん達はアマツへ行ったのね…」
白薔薇「紅薔薇は心配じゃないのですか?彼女達はあの『ひな壇』を見に行ったのですよ!」
プリたん「別に。私は私の妹を信じているわ。それに私たちだって8歳で修了したじゃないの。貴方と私で」
白薔薇「わ,私だって自分の生徒を信じていますよ!アコたんは才能のある生徒だから,きっと…」
プリたん「だから,ね。貴方の授業の成果ってやつを見に行かない?」
白薔薇「やっぱり行きたかったのですね…」

アマツ
海の果てにあるこの国に,そのひな壇は不思議と調和していた。
道ばたに脈絡もなく現れたこの巨大なひな壇を,街ゆく人々がそれぞれの表情で眺めている。
もちろんアコたんとメカアコたんも,ひな壇を見上げていた
メカアコたん「大きいね〜」
アコたん「うん。でも少し不気味なお人形…,それに真っ赤だし…」
大陸育ちのアコたんにとって,アマツ風の人形は馴染みがなかった。人形は薄笑いを浮かべており,壇の敷物は血の色だ
しかし,メカアコたんはそんなことお構いなしに,もっと近くで見ようとしてひな壇に近づいていく。その姿にアコたんが
何となく不安を覚えたとき,パンッという軽い破裂音とともに,メカアコたんの頭部が軽く揺らいだ

アコたん「メカアコたん大丈夫!?」
メカアコたん「うん,かすっただけだから。でもどこから…」

メカアコたんの熱感知センサーがめまぐるしく動き,一点を捉えた。三人官女の持つ柄杓から硝煙が立ちのぼっている
メカアコたん「まずっ…アコたん私の後ろにッ!」
アコたん「う,うん!」
アコたんが慌ててメカアコたんの後ろに隠れた一瞬後,アコたんのいた空間を,残り二人の官女が放った銃弾が切り裂いた
アコたん「何なの,これー!」
メカアコたん「分からないけど,やるしかないみたいだね!」
そしてメカアコたんは,担いでいたパニッシャーを一振りし,戦闘モードのスイッチを入れた

165 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/03/05(日) 01:54:06 ID:Ein3QAMo
メカアコたん「多目標対空防衛機構『イージス』展開ッ!」
プリたん「あー,やってるわね。やや押され気味かしら」
白薔薇「全く,貴方は呑気なものですね。下手をすれば死ぬかも知れないんですよ!」
アコたん「あ,お姉様〜。助けてください〜TT」
プリたん「それは出来ないわね。この『ひな壇』は,女の子の『健やかな成長』を願って作られたものなの。だから勝ちなさい。
     勝って強い子に育ちなさい!」
アコたん「育つ前に死ぬかも知れないんですけど〜」

確かにメカアコたんも押されていた。三人官女や五人囃子の銃弾を防ぐだけで手一杯だ。
メカアコたん「まだ,お内裏様もお雛様もいるのに,これじゃやられるよ」
アコたん「ごめんね,メカアコたん。私が弱いから…」
そしてついにお雛様人形が動き出す。キリキリと真っ赤な唇が裂け,言葉を紡ぐ「中々保ッタホウジャガナ,トドメじゃ。雛弾『ひなあられ』!!」
メカアコたん「も,もうダメだよ。ア,アコたん逃げて…」
アコたん「そんな出来ないよ,どうしたら…」

「戦い方は教えておいた筈なんですけどね」
アコたんの背後から苦笑混じりの涼やかな声がした
アコたん「白薔薇様…」
白薔薇「知らないことは無いでしょう。私たちINTプリーストの戦い方を」
アコたん「でも,私人を傷つけるような攻撃なんて出来ないです…」
白薔薇「そうね,でも貴方が助けてあげないとメカアコたんが壊れますよ?攻撃はまた,人を助ける手段であることも知っていてください。」
アコたん「…分かりました,白薔薇様…。私,やります!」

アコたんはお雛様に正対し,唱える
アコたん「主と精霊と子の御名の元に・・・・・・ホーリーライト!!」
そしてアコたんが放った純白の光が,視界を白く塗りつぶした。

手を取り合って喜ぶアコたんとメカアコたん。それを満足そうに見つめる白薔薇と不満げなプリたん。
プリたん「なんであんただけ目立ってるのよー。私が来た意味ないじゃない〜」
白薔薇「いいじゃないですか。アコたん達が無事だったんだから。それに貴方じゃだめですよ」
プリたん「何でよ」
白薔薇「だってひな祭りは女の『子』の日ですもの」
プリたん「ほぅ,すでに私が女の子ではないと・・・。って,見た目がロリっぽいだけで,あんたと私は同い年でしょーが!!」
そしてプリたん必殺の右ストレートが,得意そうに人差し指を立てている白薔薇を3メートルほど吹き飛ばした。

166 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/03/17(金) 20:15:49 ID:Nz56UI7w
時事ネタ『プリたんのホワイトデー』

チョコレートを両腕に抱えたプリたんを,白薔薇が半ば感心したような視線で見ている
「相変わらずすごい人気ですねー」
「いや,まあ。はは…」
送り主は主にプロンテラ教会のアコライトの女の子達からだ
それが一ヶ月前,バレンタインデーのこと

「お返しかぁ。妥当なところだとクッキーかケーキよね」
プロンテラ教会武装神官隊の隊長という職位を考えると,手作りホワイトチョコを作る暇は無さそうだった。
かといって,何もお返ししないというのも悪い。チョコレートはどれも力作揃いだったし
「仕方ないわね」
一人ごちてプリたんはポケットの中の青ジェムを取り出し,ルティエへのポタを開きはじめた

おもちゃ工場に入ると,プリたんを懐かしい空気が包んだ
「んー,久しぶり。昔はよくここで修練したものだけど」
慣れた足取りで工場内を歩くプリたん。そして目当てを発見する。機械仕掛けの小さな人形,クッキーだ。
彼らの中にはその名の通りクッキーが内蔵されている。プリたんは無造作に近づくと,右足で思い切り踏み込み人形を蹴り飛ばした
堅い外装の感触がプリたんの左足に伝わって,次の瞬間意外なほど軽いその人形は手近な壁に叩きつけられた。
キリ,キリ・・・と緩慢に歯車が軋む音を立て動きを止めた人形の中を探りクッキーを取り出す,つもりだった。
サラサラと乾いた音を立てて,小麦粉の固まりがプリたんの手をすり抜けていく

『粉砕したクッキー 1個獲得』

「あ,あら?」
どうやら力加減を誤ったらしい。昔の調子で殴ってしまった
「オーバーキルかしら?時間がかかりそうね…」
手加減の具合を考えて思案顔になるプリたんの目の端に,赤い服を着たおもちゃの兵隊が映る
「くっ!」
なんとか背を反らして敵の弾丸を避けたプリたんの背後の壁が,ばちっと爆ぜる。おもちゃの銃とはいえ威力は本物だ
接近戦しかできないプリたんは間合いを詰めなくてはならない。プリたんが走り出すその一瞬前,2種類の詠唱が聞こえた
「ニューマ」「ソウルストライク…」
プリたんの目の前で,弾丸が見えない壁にぶつかったように止まり,からんと床に落ちる。と同時に,念弾がクルーザーの
銃を叩き落とし,次弾が胴体,頭部,頸部にそれぞれ着弾する。クルーザーはその場で停止し崩れ落ちた

167 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/03/17(金) 20:17:22 ID:Nz56UI7w
今の詠唱から感じるに両方とも相当な使い手だ。ミッドガルド大陸でもほぼ最高クラスの。そして声に聞き覚えがある
「白薔薇,貴方ね?そして…青ちゃん?」
プリたんの声に答えるようにして,壁の陰からひょっこりと幼なじみのプリーストとウィザードの二人が現れた

青ちゃんと呼ばれたオペラ仮面で素顔を隠しているウィザードが遠慮がちな声をかけた
「あの,できればその呼び名は止めてほしいのだが…」
「いいじゃない,呼びやすくて。大体『だが…』って,その口調はなによ格好つけちゃって,もー」
青髪のウィザードの提案は,無情にも肘打ちと共に却下された。オペラ仮面の裏にキラリと涙が見える
「それにしてもうまくいってないようですね,紅薔薇」
「べ,別に…。これから…そう,これからうまく行く予定だったのよ!」
冷や汗をかき弁解するプリたんをよそに,白薔薇は粉々になったクッキーを見て嘆息した
「だから手伝ってあげますよ。私たちが」
確かに,彼女達は最高クラスの術者だ。ここは素直に手伝って貰うべきだろう
「そうね,有り難いわ。お願いできるかしら」

ザッー,応えて白薔薇が得意げに一歩を踏み出す
「ふふふ,紅薔薇にそこまで懇願されると断り切れませんね。主のお力をこんなことのために使いたくはないのですが」
「いや,別に懇願までしてるわけじゃないわよ?」
プリたんのつぶやきを聞き流されてし,白薔薇が手を合わせ,祈り始める
「父と子と精霊の御名において,主よ,お守りください。主の忠実なる下僕に邪悪を切り裂く力をお与えくださいー
 父と子と精霊の御名において…ホーリーライトッ!」
白薔薇が放った純粋な「力」が容赦なくミストケースを打ちのめす。
白薔薇がミストケースの上蓋を取り,中からケーキを取り出そうとして,固まった

『粉砕した一口ケーキ 1個獲得』

「あら?変ですね」「あら,じゃないわよ。あんだけ勿体ぶった詠唱しといて,あんたも私と同じじゃないの!」
心底不思議そうに白薔薇が小首をかしげる。彼女の容姿の幼さと相まって,かなり可愛らしい。その彼女の頭をプリたんがはたく
そのやりとりを見て,青薔薇が嘆息した
「ふぅ,力を制御できていない証拠だな。制御できてこそ力には意味があるというのに」
そして軽く息を吸い詠唱する
「ファイヤーボルト!」

『炭化したクッキー1個獲得』

難しい顔で黒こげになったクッキーを見つめる青薔薇
「むぅ」「他に言いたいことがなければ,私の拳で沈むがいいわ」

168 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/03/17(金) 22:38:43 ID:eihcEmXU
「あれだけ大見得きっといて,何やってるのよ!少しは加減したらどう?」
「紅薔薇こそ一番手加減しやすそうな素手プリじゃないですか!」
「氷系魔術ならアイスクッキーが・・・」
体術,神術,魔術それぞれ最高位の術者三人が不毛な論争を続けているところに,とてとてと歩み寄るアコたん

「お姉様〜」
「アコたん?どうしたのこんなところで?」
アコたんはその小さな手を開いて,クッキーをプリたんに手渡した
『よく焼いたクッキー 3個獲得』
「あ,これ・・・」
「お姉様がクッキー集めてるって聞いたんです。だから私も手伝おうって,メカアコたんと」
見れば遠くでメカアコたんが,速乾性粘着弾を放っていた。動きの止まったところでクッキーを回収している。瞬く間に増えるお菓子
「これだけあれば大丈夫ね。アコたんありがとう」
「え,えへへ〜」
プリたんに感謝されたのがうれしくて,アコたんが照れ笑いする横で,白薔薇と青薔薇が頷いている
「やはり私たちの功績が大きいな」「ええ,ご飯一食作ってくれるくらい大きい功績です」
「あんたらは何もしてないでしょーが!・・・・・・まぁ,いいわ。手伝って貰ったのは確かだし,ご飯くらいなら作ったげるわよ」
一同はほくほく顔でおもちゃ工場を後にした

その日の晩
なんとか全員にお返しを済ませたプリたんは,自室に帰り少し思案してからまた部屋を出た。そして,アコたんの部屋の扉をノックする
「アコたん,いるかしら?」「はいー」
ぱたぱたと走り寄る音がして,木製の扉が開かれる。キィと軋む音と共にアコたんが顔を出した
「今日はどうもありがとうね。助かったわ,本当に」
そのアコたんに,プリたんは苦笑しながら簡単にラッピングされた小箱を手渡す
「いえ,そんな!そんなに気を使って貰わなくても私・・・ご飯まで頂いちゃって」
少し慌てて返事するアコたんを,プリたんは微笑ましく思った
「あの,これ私が採ったのは確かだから…じゃ,おやすみアコたん」
「はい,お休みなさい。ありがとうございました」
ローブの裾を翻したプリたんの背後で,再度扉の軋む音がした

箱の中には,粉砕したクッキーと流麗な文字で綴られた短い手紙が一通
「ありゃりゃ,これじゃ食べられないね」
「うん。でもいいんだよ,メカアコたん。私の宝物にするだもん」
小箱を嬉しそうに抱きしめたアコたんを,メカアコたんは不思議そうな顔で見ていた

169 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/05/16(火) 20:35:07 ID:oIqs7p7w
プリたんがロードオブデスと戦っていた頃,城門の前には無数のブラッディマーダーの死体が積み重なっている
その死と破壊の中心に立っているのは一人の騎士。そしてその騎士トリスも,彼が作った死体と同様の重傷であった
「ぜぇ・・・はぁ・・・俺も死ぬかも・・・」「お前に死なれると困る」
このような状態でも至極冷静な右腕の声に答える余裕もなく,彼は死体から残った敵に向けて視線を上げた
「ハハハハハハ!うめぇ,うめぇ。大したもんじゃねえか。やっぱりやるなぁ」
ぱちぱちとからかうように拍手をしながら,他より二回りほど大柄なブラッディマーダーがトリスの前に歩み寄る。相手の表情は
仮面に隠れているが,ありありとその表情は想像できた
「だが,それもここまでかよ。もう傷を塞がないのか?俺を鎧ごと引き裂かないのか?騎士様よぉ」
正直敵の言うとおりだった。ウスラーの『再生』にも限度がある。動力源であるトリスの血も流れすぎていた
「・・・でもな,お前は殺す。アコたんを殺したお前は許さない・・・」
気を抜けば一気に崩れそうになる膝をハルバードで支えながら,トリスは相手を睨み付けた。

「ハハハ!」
笑いながらその顔面に手斧が振り下ろされた!ガチッ,と鈍い音がしてヘルムが吹き飛び,そのままの勢いでトリスは地面に叩き伏せられた
「殺す?許さない?そのセリフは俺に勝手から言えってんだよ!」
「ぐぁっ!」
次々と降り注ぐ斬撃を槍であるいは鎧でなんとか逸らせ,かろうじて致命傷を避ける
「死ねよ,あのアコライトと同じようにな!」
「・・・アコたんを泣かせたんだな・・・」
「ああ,いい声で鳴いてくれたぜ。七回,いや八回だったなぁー。何度殺しても飽きねぇ,最高にイイ声だった。てめぇも・・・」
がきんっー,ブラッディマーダーの声は彼の手斧が弾かれる音で中断された。そして
「ほう,これは・・・」
いつになく感心した声をトリスの右腕が上げる。その腕が握ったハルバード,これがブラッディマーダーの手斧と仮面を吹き飛ばしていた。
「これが精神力でカバーというものか。人間とは不思議なものだ。もう我を作動させることは出来ないのかと思っていたぞ」
「くっ・・・そ,感心してる場合かよ・・・それにさっきのが最後の一撃だって・・・の」
「なら一撃で止めを刺せ。致命傷には程遠いぞ」
「・・・しょうがないだろ,体が勝手に動いたんだから!」

ふと,攻撃が止んでいるのに気がついてトリスが目をやると,ブラッディマーダーは大した傷もなく,まだその位置に立っていた
「やっぱりだ,やっぱりお前はやる。あの時と同じだ」
「え,お前・・・まさか!?」
トリスの普段あまり使うことのない脳が,珍しく迅速な答えを出す。彼が以前捕縛した大量殺人犯,ゲフェンの農村部を中心に
猟奇殺人を繰り返した男と同じ顔だった
「忘れてねぇみたいだな,嬉しいぜ。そうだよな,なんせてめぇが殺した男の顔だもんなぁ,ハハハハハハ!」

170 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/05/16(火) 20:35:35 ID:oIqs7p7w
「じゃ,他のマーダーも・・・」
「そうよ,ぜーんぶ今までお前が殺してきた奴らだぜ。全く罪深い騎士様だ,俺の殺した人数の何倍だよ?」
ショックを受けるトリスに囁く
「でも・・・でも俺は自分の愉しみで殺したんじゃない・・・騎士として,民衆のためにやっただけで・・・」
「てめぇの都合なんざ,死んだ方は関係ないぜ。てめぇを殺して,恨みを晴らすのさ!」
そして,うなだれるトリスの頭上にブラッディマーダーの手斧が振り下ろされた。ウスラーが警告を発する
「避けろトリス!」

次に来たのは,横殴りの凄まじい衝撃だった。巨大な拳がトリスの,そしてブラッディマーダーの横面を張り飛ばす!ゴミのように
錐揉みし大の男二人が転がっていく。斬られたほうが痛くなかったかもしれない
「う・・・おあぁっ・・・!?」「だから,避けろと・・・」
脳震盪を起こしかけているのだろう,定まらない視界に移ったのは・・・虎だった。白銀の虎がにらんでいる。プロンテラ騎士団の
最高幹部『白の騎士』の一人,白虎将軍の衣装を着たその男が吼えた
『貴様,それでも戦士かぁっ!』
脳に響く声に意識が遠のきそうになる。少し声を落とし,しかしその鋭さは変えぬまま声は続く
「情けない,情けないぞおっ!戦士がいちいち死んだ人間の事を気にしてどうする。そんなものは僧侶にでも任せておけぃ!
 罪人は殺せ,それだけの事をしてきた奴らだ。犠牲者の恨みを代行できるのは戦士だけだ!戦は仕事だ,相手もお前を恨んでは
 いない。恨むのは腰抜けだけだ!」
そして,返事を待たず大股で歩み去る白虎が背中越しに語る
「戦士なら,漢なら常に前を見ろ!自分の信じる道を,振り返ることなく前へ進め!では,さらばだっ!!」

トリスはなんとなくこの声に,それにましてこの拳の力強さに覚えがあった。ぐらぐら揺れる視界は無視して一気に立ち上がる
「あんたは・・・まぁ,いいや・・・。よし・・・!」
さっきの殴打で体力は限りなく0に近かったが,不思議と体は軽くなっていた
「ウスラー,最後の一撃いけるか?」
「さっきのが最後だった気がするが・・・いいだろう,もう一度力を貸そう」
そしてウスラーはトリスの手甲を外し始めた。ばちん,ばちんー,と皮のベルトを外し,右腕を顕わにする,と同時にずるりと
30pほど爪を伸ばした。
「どこでも良い,我の爪で相手を傷つけろ。それで終わる」
「・・・?・・・わかった」
本当はウスラーの考えている事は分からなかったが,それでもトリスはウスラーを信じることにした

171 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/05/16(火) 20:41:05 ID:oIqs7p7w
頭を押さえながらブラッディマーダーが呻く。辺りにはすでに白虎の姿はない。その代わりに敵の騎士が立ち上がり歩みを進めていた
「死に損ないがぁ!俺を殺したことを償わせてやる!」
そして今度こそ,騎士の脳に手斧を振り下ろした。騎士も答えるように槍を振るが,全く間に合っていない。受けることも出来ずに
騎士の手から槍は落ち,振るわれたのは素手のみ。その先端がブラッディマーダーの手を掠める
「くっ・・・浅かったか・・・」「いや,我らの勝ちだ」
そしてー,ブラッディマーダーの手は崩れ落ちた

サラサラと音を立てて黒い粉が降る。右手から始まった浸食は既に二の腕にまで達している
「うおおおっ!?これは,なんだ!俺の,俺の腕がぁ!?」
「『再生』の応用で,細胞の分裂を極限まで早め壊死させる。この作用を我の制作者は『腐敗』と呼んだ」
「やめろ・・・死にたくねぇ・・・・・・」
「細胞の寿命を使い切ったのだ。もはや,我にも止められぬ」
冷徹なウスラーの声に,耳を傾ける余裕もなくブラッディマーダーは崩れ落ち,地面には人型の黒い粉が残された
「・・・本来なら,他人の怪我を治すための能力だったが,成功しなかった・・・」
ウスラーの声を聞きながら,トリスも地面にへたり込んだ

>>159辺りに続く


自分設定満載で出しそびれてたけど,最近カキコないので投下〜

172 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/07/10(火) 09:46:59 ID:r7s7Uh8Y
ドラゴンサンダー!

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