アコたんvsメカアコたん Part6
[167:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2006/03/17(金) 20:17:22 ID:Nz56UI7w)]
今の詠唱から感じるに両方とも相当な使い手だ。ミッドガルド大陸でもほぼ最高クラスの。そして声に聞き覚えがある
「白薔薇,貴方ね?そして…青ちゃん?」
プリたんの声に答えるようにして,壁の陰からひょっこりと幼なじみのプリーストとウィザードの二人が現れた
青ちゃんと呼ばれたオペラ仮面で素顔を隠しているウィザードが遠慮がちな声をかけた
「あの,できればその呼び名は止めてほしいのだが…」
「いいじゃない,呼びやすくて。大体『だが…』って,その口調はなによ格好つけちゃって,もー」
青髪のウィザードの提案は,無情にも肘打ちと共に却下された。オペラ仮面の裏にキラリと涙が見える
「それにしてもうまくいってないようですね,紅薔薇」
「べ,別に…。これから…そう,これからうまく行く予定だったのよ!」
冷や汗をかき弁解するプリたんをよそに,白薔薇は粉々になったクッキーを見て嘆息した
「だから手伝ってあげますよ。私たちが」
確かに,彼女達は最高クラスの術者だ。ここは素直に手伝って貰うべきだろう
「そうね,有り難いわ。お願いできるかしら」
ザッー,応えて白薔薇が得意げに一歩を踏み出す
「ふふふ,紅薔薇にそこまで懇願されると断り切れませんね。主のお力をこんなことのために使いたくはないのですが」
「いや,別に懇願までしてるわけじゃないわよ?」
プリたんのつぶやきを聞き流されてし,白薔薇が手を合わせ,祈り始める
「父と子と精霊の御名において,主よ,お守りください。主の忠実なる下僕に邪悪を切り裂く力をお与えくださいー
父と子と精霊の御名において…ホーリーライトッ!」
白薔薇が放った純粋な「力」が容赦なくミストケースを打ちのめす。
白薔薇がミストケースの上蓋を取り,中からケーキを取り出そうとして,固まった
『粉砕した一口ケーキ 1個獲得』
「あら?変ですね」「あら,じゃないわよ。あんだけ勿体ぶった詠唱しといて,あんたも私と同じじゃないの!」
心底不思議そうに白薔薇が小首をかしげる。彼女の容姿の幼さと相まって,かなり可愛らしい。その彼女の頭をプリたんがはたく
そのやりとりを見て,青薔薇が嘆息した
「ふぅ,力を制御できていない証拠だな。制御できてこそ力には意味があるというのに」
そして軽く息を吸い詠唱する
「ファイヤーボルト!」
『炭化したクッキー1個獲得』
難しい顔で黒こげになったクッキーを見つめる青薔薇
「むぅ」「他に言いたいことがなければ,私の拳で沈むがいいわ」
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