アコたんvsメカアコたん Part6
[169:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2006/05/16(火) 20:35:07 ID:oIqs7p7w)]
プリたんがロードオブデスと戦っていた頃,城門の前には無数のブラッディマーダーの死体が積み重なっている
その死と破壊の中心に立っているのは一人の騎士。そしてその騎士トリスも,彼が作った死体と同様の重傷であった
「ぜぇ・・・はぁ・・・俺も死ぬかも・・・」「お前に死なれると困る」
このような状態でも至極冷静な右腕の声に答える余裕もなく,彼は死体から残った敵に向けて視線を上げた
「ハハハハハハ!うめぇ,うめぇ。大したもんじゃねえか。やっぱりやるなぁ」
ぱちぱちとからかうように拍手をしながら,他より二回りほど大柄なブラッディマーダーがトリスの前に歩み寄る。相手の表情は
仮面に隠れているが,ありありとその表情は想像できた
「だが,それもここまでかよ。もう傷を塞がないのか?俺を鎧ごと引き裂かないのか?騎士様よぉ」
正直敵の言うとおりだった。ウスラーの『再生』にも限度がある。動力源であるトリスの血も流れすぎていた
「・・・でもな,お前は殺す。アコたんを殺したお前は許さない・・・」
気を抜けば一気に崩れそうになる膝をハルバードで支えながら,トリスは相手を睨み付けた。
「ハハハ!」
笑いながらその顔面に手斧が振り下ろされた!ガチッ,と鈍い音がしてヘルムが吹き飛び,そのままの勢いでトリスは地面に叩き伏せられた
「殺す?許さない?そのセリフは俺に勝手から言えってんだよ!」
「ぐぁっ!」
次々と降り注ぐ斬撃を槍であるいは鎧でなんとか逸らせ,かろうじて致命傷を避ける
「死ねよ,あのアコライトと同じようにな!」
「・・・アコたんを泣かせたんだな・・・」
「ああ,いい声で鳴いてくれたぜ。七回,いや八回だったなぁー。何度殺しても飽きねぇ,最高にイイ声だった。てめぇも・・・」
がきんっー,ブラッディマーダーの声は彼の手斧が弾かれる音で中断された。そして
「ほう,これは・・・」
いつになく感心した声をトリスの右腕が上げる。その腕が握ったハルバード,これがブラッディマーダーの手斧と仮面を吹き飛ばしていた。
「これが精神力でカバーというものか。人間とは不思議なものだ。もう我を作動させることは出来ないのかと思っていたぞ」
「くっ・・・そ,感心してる場合かよ・・・それにさっきのが最後の一撃だって・・・の」
「なら一撃で止めを刺せ。致命傷には程遠いぞ」
「・・・しょうがないだろ,体が勝手に動いたんだから!」
ふと,攻撃が止んでいるのに気がついてトリスが目をやると,ブラッディマーダーは大した傷もなく,まだその位置に立っていた
「やっぱりだ,やっぱりお前はやる。あの時と同じだ」
「え,お前・・・まさか!?」
トリスの普段あまり使うことのない脳が,珍しく迅速な答えを出す。彼が以前捕縛した大量殺人犯,ゲフェンの農村部を中心に
猟奇殺人を繰り返した男と同じ顔だった
「忘れてねぇみたいだな,嬉しいぜ。そうだよな,なんせてめぇが殺した男の顔だもんなぁ,ハハハハハハ!」
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