アコたんvsメカアコたん Part6
[70:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2004/09/09(木) 14:10 ID:Jv.60p.E)]
ぶつぶつと呟きながらトリスは歩いていた。端からみるとWISしているようにも見えるが、彼の話相手はすぐそばに居る
「ミスティスを追おうにも何の手がかりがないな、そもそも俺は情報部じゃないし、どうしたもんか」
「どうやら主要な交通は封鎖されているようだが、あの騎士様のことだ。既に街を出ていることも考えられる」
いきなり詰まってしまった一人と一体は、今出来る事を考えた
「刑事は現場百回という。何か手がかりがあるやも知れぬぞ」
「放火魔は必ず現場にいるとも言うからな。いや、さすがにミスティスがそこに居るとは思ってないけどさ」
そんなこんなで二人は、さっき大臣の刺客が殺害された現場に行ってみる事にしたのだった
プロンテラの裏路地、昼でも薄暗いそこが殺害現場だった。慌しくプロンテラの警備兵が黄色いロープの中で遺体を収容している
「ウスラー、なんか目だった生体反応ある?」
「こうも人だかりが多くては精度も鈍るが…特に反応はないようだ」
物見高い野次馬で人だかりが出来ている。トリスも辺りを見回すが、目ぼしい人間はいないようだ
遺体に目を向けると、元は人だったことがかろうじて服で判別できた。バラバラの肉塊だ、三人分だろうか。それすらも分かりにくい
「鎧ごと人体を輪切りにしたのか…人間じゃないな。こんなことが出来るのはやっぱり…」
騎士団一の身体能力、魔族の剣技、名刀正宗。それが揃って初めて成せる所業であろう
追っ手を殺害したのも濡れ衣と考えていたトリスだが、これではどうやら本当にミスティスがやったと信じるしかないようだ
「それにしてもよ、なんか事情があるなら、俺らに相談してくれればよかったのにな。なーんで逃げたりするんだか」
「事情があったからかも知れぬ。考えられるケースは、話せば我らが危険になる、信じてもらえない状況だった、追撃をかわすのに必死だった…」
「ふむふむ」
「…そしてミスティスが本当に裏切っていたというケースだな」
「ふむふむ…って、こら。そんなことあるわけないだろ」
「あくまで可能性だ。ただお前もその覚悟はしておいた方が良いと思ったのだ。動揺されて寄生主に死なれると我が困る」
「わかったよ。でも言っとくけど、俺はミスティスを連れ戻すために探してるんだからな」
そして一人と一体はまた歩き始めた。北に騎士を見たという話があれば行って探し、南に怪しい隠れ家があると聞けば行って叩き壊し
東に病気の人あれば行って看病してやり、西に喧嘩があれば行って仲裁してやり……しかし、うまく逃げているのだろう。結局ミスティスは見つからなかった
「騎士の旦那〜、あっしらは何も知りやせんって!」
「その言葉本当だろうな…まあいい、これから拷問にかけてじっくり吐かせてやるからな」
「トリス、嘘発見機によれば98%の確率でその男の発言は真実だ」
「げ、またハズレかよ」
そして早一ヶ月、4つ目の全然関係ない窃盗団のアジトを壊滅させたところで、爽やかな笑みを浮かべトリスは悟った
「…フッ、やっぱり俺みたいな素人が追跡してもダメだな」
「もう少し早く気づけ」
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