アコたんvsメカアコたん Part6
[71:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2004/09/09(木) 18:57 ID:Su6fRfe.)]
「…見事…」
長黒い長髪を持ち、白いマントをその背に背負う男が膝をつく
相対するは銀の髪に黒い甲冑、そして弧を描く白金の刃を持つ騎士
騎士ウィンザーの誇る白狼隊は、騎士団の中でも、もっとも追跡、連携に優れ
もっとも優れたハンター…。まさに狼の如くであった。そしてそれを指揮するウィンザーも、口数は少ないものの、狼のごとくしなやかさと
統率力、そして荒々しさを持つ、まさに狼の群れを指揮する白狼であった。
その猟犬以上の追尾能力でトリスより先にミスティスと出逢えた白狼達には自信があった
ミスティスを確実に捕らえきれる自信が。
だが、その自信は崩れ去る事となった。
まず、ミスティスには少数精鋭ながら、恐ろしく強い戦士達…ミスティスの騎士団
つまり、公式的にはいないとされていた、ミスティスの黒竜騎兵の存在である
本来騎士団の隊員は騎士のみである。だが彼の黒竜騎兵の構成は騎士だけではない。
故に騎士対騎士を想定していた、白狼隊は裏をかかれた形で陣形を崩される
白狼隊は我が身を守るのが精一杯の状況に陥いり、白狼将軍と黒竜将軍の一騎撃ちとなる形となった
ウィンザーは優れた騎士である。無駄な事は決して喋らない性格同様
無駄な動きを排したその戦い方は、ある意味ではミスティスに似通っている
「…ミスティス。 謀反の恐れありとの報が騎士団に入っている…」
「知っていますよ」
「原因はこの兵か?」
白狼隊と交戦している戦士達を見ながらウィンザーはいう。
「いいえ」
そうだろうな、とウィンザーは思う。
恐らくミスティスの置かれた状況を知って、駆けつけた者たちであろう。
「誤報なのは騎士団全ての人間がわかっている…剣を退き、俺と共に来い…。悪いようにはせん…」
「ありがとうございます、ウィンザーさん。でも僕はまだ戻る訳にはいかないのです…」
「訳は話せないのか?」
「…不覚を取ったとしか言い様がありませんね…」
そういいながら自重の笑みを浮かべるミスティス
「そう…か」
次の瞬間にはお互いの足が地面から離れていた
辺りに響く鉄と鉄のぶつかり合う音
たった一度、剣を交し合っただけだというのに、その剣激がもたらす気は
交戦している全ての兵の争う手をとめ、二人の騎士の戦いに目を奪われていた
お互い譲らずの激しい戦闘。
片や激しく打ち込みながらも、一切の無駄のない動きをするウィンザー
片や無駄の無い動きでそれを交わし、舞ように刃を繰り出すミスティス
激流と清流に例えれたであろう。
「さすがですね、ウィンザーさん…」
間合いを取りつつミスティスはウィンザーに語りかける
どんな兵にも一瞬の隙が生じる。その刹那に音を超える剣を繰り出すのがミスティスの戦い方である
だがウィンザーはその無駄をも廃している。
ウィンザーの序列は12将軍の中でも中に位置する。片や最強と謳われる騎士である。
純粋に相性が悪すぎるのだ。
「…このままでは戦いが長引きますね… やむえません」
その瞬間、ミスティスの姿が消え、激しい衝撃がウィンザーの身体を吹き飛ばす
「ゲフェンで得た剣技にアマツの居合いを+したのが普段の僕
そしてこれがゲフェンで得た力…身を蝕む瘴気が代償に、僕に与えてくれた力です…」
…なるほど… 通りで… トリスやレオ…ジュノーの団長… アーサー団長…
並み居る… 騎士を… 差し置いて最強と…言われるわけだ…
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