アコたんvsメカアコたん Part6
[86:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2004/09/30(木) 14:59 ID:.tItgL9Q)]
長編の続き作ってみる
「プロンテラ騎士団白の騎士、白牛将軍トリス殿。貴殿の勇敢なる行動に敬意を表し、ここに勲三等を授与するものである」
「ええと…ありがとうございます……?」
闇雲にミスティスを探し回る事一ヶ月、その際いくつもの無関係な盗賊団を壊滅させ、アルデバラン市長から表彰されながらトリスは思った
「やはり素人が闇雲に探してもダメだな。どうしようか、ウスラー?」
「一度騎士団に戻ってみるべきだ。何らかの情報が入っているかも知れぬ」
「ミスティス連れてくる、って啖呵切って出てきたってのに手ぶらじゃ戻りづらいな…でも、面子にこだわってる場合じゃないよな」
そしてのこのことプロンテラに戻ってきたトリスを騎士子たんが出迎える。慌てて走ってきたのだろう、息を弾ませながら騎士子たんは口を開いた
「トリス君…!よかった、戻ってきてくれたんだね」
「まぁ…ね。恥ずかしい話、結局ミスティスは見つからなかったんだけどさ」
「そんな事より私、トリス君が騎士団辞めるんじゃないかって…ほんとに心配して…」
唐突な話にきょとんとするトリス
「え!?俺が辞めるって…なんでそんな話になってるんだ?」
「だって、だってトリス君、これ置いて行ったから…!」
見れば騎士子たんが握っているのは赤い子瓶。騎士の誇りの象徴、忠節の証だった。刻まれたナンバーからしてトリスの物に間違いない
「あー、やっぱりここに忘れてきたのかー。いやー、落としたんだったどうしようかと。よかったよかった」
「え…忘れたって…ただ忘れただけだったの?」
「そうそう、あの時は頭に血がのぼってて。そうか、騎士子たんが預かっててくれたのか、ありがとな」
そう言って騎士子たんから受け取ろうと手を伸ばしたトリスの目の前で忠節の証が握りつぶされた
グシャッー、騎士子たんの手から赤い液体がぽたぽたと零れる
「うおおおおおおおっ!?なにすんだよ!」
「トリス君こそ、ここ一ヶ月の私の心配をどうしてくれるのよ!!」
騎士子たんが叫ぶのと、忠節の証を握りつぶした拳を振り上げるのとは同時だった
「ガハハハハ!そーかそーか、どうも最近騎士子たんの様子が変だと思ったらよ!」
騎士団の一室にその部屋の持ち主の笑い声が響いた。対面しているトリスは何かに強打されたらしく胸を抑えている
「レオ教官、笑い事じゃないですよ。もう少しで俺は騎士辞なきゃならないところだったんですから」
「騎士子たんも誰かに相談でもすりゃいいものを…ま、そのおかげで辞めずに済んだんだ、感謝しとけよ。ガハハハハ!」
そして一しきり笑うとレオ教官はぴたりを口を閉じた。一気に部屋の気温が下がったようだ
「トリス、お前が手ぶらで帰ってきたって事は…」
「教官が俺にそう聞くって事は…」
二人とも同じことを思った
『まだミスティスは保護できていない』
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