アコたんvsメカアコたん Part6
[85:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2004/09/29(水) 23:03 ID:gVNfdAtA)]
騎士団のお月見はいつものようにただの酒盛りだった。春には花見で一杯、秋には月見で一杯、夏には海で、冬には囲炉裏で
つまりは酒が呑める機会ならなんでもいいらしい。今回もお団子やススキなど誰も用意しようとしていなかった
ガヤガヤと騎士団本部の中庭から喧騒が部屋まで聞こえてくる
そんな中、騎士子たんは一人部屋でしかめ面をしていた
「勢いに任せて買っちゃったけど、どうしよう…」
騎士子たんの手の中にはウサギのヘアバンド、通称ウサミミがある
「さすがにこの年でウサミミもないよね…。タヌ耳の方がお似合いって言われそうだし…」
『月刊 ボクのエロプリ様』の人気コーナー、ウサミミプリたんハァハァを見て、ついウサミミを買ってしまった騎士子たんだが、
気恥ずかしくてとうとう今日まで着けることなく来てしまった。しかし、お月見の今日なら宴会のネタとしてお披露目、
という荒業を取れなくもない。意を決してヘアバンドの要領で頭にウサミミを乗っけてみる
おそるおそる鏡を見てみると、そんなに悪くないような気がする、もちろん自分の贔屓目もあるだろうけど。そしてこっそり呟く
「…ウ、ウサウサ騎士子だ…ぴょん♪」
自分自身そのあまりのイタさに顔を真っ赤にして、ベッドに倒れこむ騎士子たん
「ダ、ダメだわ。あまりにも…こんな、こんなのは…みんな…引いちゃう…」
その時、騎士子たんの部屋の扉が乱暴にノックされる
「おーい、騎士子たーん!みんなもう始めてるぞー。早く来いよ!」
トリスだ。口調からして既に酒が入っているらしい。慌てて騎士子たんは返事をする
「わ、わわっ!?い、今行くから、ちょっと待って!」
そして急いでドアを開けると、トリスは少し違和感を感じたように騎士子たんを見たが、特に何も言わずに中庭に歩いて行った
少し遅れて騎士子たんもそれに続き中庭に出ると、それまで騒いでいた騎士達がピタリと口をつぐんだ。異様な静寂が中庭に漂う
そして少しずつ聞こえだすヒソヒソ声
ざわ…ざわ…
「おい、マジか。将軍様が…」「俺、酔いがまわったかな?」「まだいくらも飲んでないぜ、まさか騎士子さんが…ウサミミ…」
その瞬間に騎士子たんの顔から血の気が引いた。慌てすぎてウサミミをつけっ放しだったらしい。まずい、なんとか場をごまかさないと…
「…ウ、ウサウサ騎士子だ…ぴょん♪」
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