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◆みんなで創る小説Ragnarok ♂萌え2冊目◆

[60:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/12/27(火) 22:14:35 ID:FB0N0Omg)]
空腹の歌と雨音を聞きながら、セージは寝台の脇から踏み台を拾い上げた。
ペット達の餌を入れた袋は、戸棚の上のほうに入っていて、背の低いセージでは届かないのだ。
戸棚の前に置いた踏み台に乗り、扉を開くと、あれ、とセージは首を傾げた。
「どうかしたッスか?」
いつの間にか歌うのを止めたドラップスが訊ねた。
「ご飯、なくなってたっけ?」
「ええーっ!」
ポリンが叫び声を上げた。
「まだあったはずッスよ?」
ドラップスに言われて、セージはもう一度戸棚の中を見てみたが、そこには餌を入れてあったはずの袋すらなくなっていた。
「奥に入っちゃったかなあ」
そう言ってセージが戸棚の中身を出そうとすると、あ、とポリンが声を上げた。
「ご主人さま、ご飯は一番下の引き戸の中にあるはずですよ!」
「え?」
セージが振り向くと、そうだそうだという様子でポポリンが頷いていた。
「そんなとこに入れたっけ?」
「そういえばそうッス! 下の引き戸ッス!」
ドラップスにまで言われ、セージは首を傾げながらも踏み台から降りた。
その隣に座り込むと、ガラガラと音を立てて引き戸を開けた。
「……本当だ」
確かに、そこには餌の入った白い袋が入っていた。
「何でこんな所に?」
セージが呟くと、ポリンがぴょんぴょん跳ねながら傍へ寄ってきた。
「忘れちゃったんですか? 上からご飯取り出すの大変だからって恋人さんが……あ」
しまった、という顔になったポリンに、ドラップスが飛び掛った。
「アイタッ!」
「ご主人の傷を開くような真似するんじゃないッス!」
「うっかりしてたですよ!」
「うるさい馬鹿!」
どたばたと飛び跳ねる二匹に、けれどセージが気を取られる様子はなかった。
目を大きく見開いて、餌の入った袋を見つめるだけだった。


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