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◆【18歳未満進入禁止】みんなで創る小説Ragnarok ♂萌エロ 第2巻◆

[12:古344(2005/07/12(火) 00:21:00 ID:1zY/c1e.)]
嗚呼――…。駄目だ、それ以上言うな。
お前の好意なんて、俺が気付いてないとでも思ってたのか?
常に俺に向けられていた、憧れと純粋な好意に溢れる眼差し。
俺の一挙一動を追う視線は、自分では隠せていたつもりなのか…?
アイツに………去られたばかりの俺が、お前の存在や作り出すその空気に、どれだけ救われていたか
知ってるのか?
俺はお前の好意で、自分の心を卑しく慰めてるだけだ。
一人きりで居ると、もう何もかも耐え切れなくなりそうだったから。
お前を利用してたんだ、その気持ちを。
お前には応えてやれない。応える資格すら………俺には、ない。
俺なんかに引っ掛かってないで、本当はさっさと見切りをつけた方が良いんだ。お前は。
だから、俺はお前とこれ以上親しくならない内に。
お前が俺に抱いている幻想に囚われすぎない内に。
俺がお前をなんとも思ってなくて、その剣の腕を利用しただけだと思わせないといけない。
いつまでも、去った相手に未練たらたらの俺になんか、憧れてたら馬鹿を見るだけだぜ。

「俺は、貴方が好―――………」
告白しかけたその唇に、それ以上告げさせぬよう、俺は自分の指の腹を押し当てる。
「だったら………それまで黙ってろ。決めてたんだろ」
殊更冷たい声色で、細めた目を向けながら鋭く告げる。
あいつが一瞬怯む。
傷付いたような、情けない顔をしてあいつがぐっと唇を噛んだ。
決して甘くなどなりそうもない、己を拒絶する俺の雰囲気が伝わったんだろう。
そうだ、それで良い。
俺はこいつの腕を振り払うようにして、腹に力を篭め………抱き起こされていた状態から身を起こし、
立ち上がろうとした。
………立ち上がろうとした、が、
「俺は貴方が好きなんだッ!!」
「―――――ッ、つ………!?」
これまでの経験上、ああ言えば怯み、落ち込んで俺のペースに乗せられると踏んでいたのに。こいつは
いきなり切れたようにそう叫ぶと、不覚にも油断した俺の隙をついて腕を押さえ込み………草の上に
押し倒してきやがった………!

身長こそ然程差が無いとは言え、こいつは日々重い鎧を着込みながら重量のある槍を振り回す鍛錬を
積んでいる。紙一重で避け、攻撃をかわしながら戦う俺の戦闘法とは全く違って…鍛え上げた身体を盾に
相手の攻撃を耐える。それだけの肉体を作ってる。
押さえ込まれてしまうと、俺は、弱い。
こいつの片腕を引き剥がすのさえ思い切り両腕の力を篭めないとならない。
だが、此処は暴れて抵抗するより、冷たく相手の気持ちを一蹴する方が効果的だろう。
その方が、こいつも早く諦めがつくはずだ。
俺は努めて、必要以上に冷ややかな眼差しでこいつを見上げる。
「それで…どうする気だ。気のない相手を力で押さえ込むのが……お前の目指す騎士道かよ」
だが、俺の台詞に鼻白むと思ったこいつは、押さえ込む腕の力を緩めるどころか更にそれを強くして、
「貴方が好きだ…ッ。俺なら貴方を守る、…いつだって傍に居て、世界で一番大切にする!!
傍に居て……俺なら貴方に、あんな風に悲しく名を呼ばせるような事はしない……っ。身を挺して俺を
庇ってくれた…優しい貴方に、そんな悲しい思いはさせない…………好きだ、出会った時から、ずっと」


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