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◆【18歳未満進入禁止】みんなで創る小説Ragnarok ♂萌エロ 第2巻◆

[19:アサ×バード 1(2005/07/30(土) 00:12:48 ID:n3hVPoL6)]
ちょっと、電波が降って来たのでカキカキ。
文章書くのは慣れて無いのでお目汚しご容赦。
アサ×バードでございます。
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異国の祭りに招かれたぼくは、その興奮が覚めやらぬまま、天津郊外の桜の森を彷徨っていた。
枯れることの無い永遠の桜の美しさは話には聞いていたものの、実際に見ると筆舌に尽くしがたいものであった。
いかにして詩にするか思案しつつ歩き回っているうちに、かなり郊外に来てしまったようだ。
祭りの喧噪が、遠い。
引き返そうと思った時、かすかに鋭いものが空を切る音が聞こえた。
街の外にはカッパという、かなり手ごわい敵がいた。めったに街の方には来ないと聞いていたが、祭りに紛れて入り込んだものがいたのかもしれない。
ぼくは、なるべく足音を殺しながら音の聞こえる方へ向かった。

桜の森の中、少しひらけた場所で、その人はただ一人舞っていた。
濃紫の衣装に映える銀髪と両手に握られた短剣が、月明かりの中で輝く軌跡を描く。
はらはらと舞い散る花片が、銀光に裂かれて、更に軽やかに宙を舞う。
ぼくが今までに見たきた踊り手に勝るとも劣らない優雅な舞踏。
でもその独特の衣装と両手に握られた短剣・・・その人は暗殺者だった。

ふと、強い風が吹いて視界を桜吹雪が遮った。思わず瞬きをした、その瞬間、忽然と彼は消えていた。
夢でも見たのだろうか?
ふらり、と足を踏み出しかけた時、
「覗きとは感心しないな?ぼうや」
耳元で低い声がした。
首筋にひんやりとした刃の感覚。
「あ・・・ごめんなさい。その、あまりにも綺麗だったからつい」
ぼくは、あわあわと意味もなく手をばたつかせた。不思議と殺されるかもしれないというのに、恐怖感は湧いてこなかった。
あまりにも幻想的な光景だったからだろうか。なんだか、現実感が薄い。
「綺麗・・・ね」
くくっと、どこか自嘲するような笑い声が耳をくすぐる。
「ふふ、吟遊詩人に誉められるとは、な。」
ゆっくりと刃の背が喉を撫で上げていく。くすぐったいような、微妙な感覚が広がっていく。
「さて、私の舞いは気に入っていただけたようだが・・・」
かり、と耳たぶを噛まれ、ぼくはびくりと体を震わせた。
「お代をいただくとしようか。」
暗殺者は、笑いながら素早く短剣をはしらせた。


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