【18歳未満進入禁止】みんなで作るRagnarok萌えるエロ小説スレ 十七冊目
[55:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2008/05/06(火) 20:00:33 ID:DvxSEYzw)]
「そこの後ろ姿が見えそで見えないのが魅力的なセージさーん。」
…。
「推定、上からAの…」
「!!」
私は思わず振り返ってしまった。
急に振り返ったので、すぐ後ろにいた男プリーストと正面からまともにぶつかってよろける。
腕の中にいたリゼルが、私と男プリーストに挟まれて潰れたような変な声を出した。
「おっと。」
倒れかけた私の肩を男プリーストが掴む。
私は男プリーストを睨みつけて、また頬をひっぱたかこうとして腕に力を込めたけど、
その顔を見て動きを止めた。
「よかったー、やっとこっち向いてもらえた。」
安心したような、本当に嬉しそうな笑顔。
それを見て、私の中にあった毒気が抜けてしまった。
男プリーストは、頭に被っていたシルクハットを脱ぎ、頭を下げる。
黒だと思っていた髪色は、陽の光を浴びて茶色に輝いていた。
「さっきは本当にすみませんでした!」
私はその言葉に驚いた。
ここは一番人通りの多い道で、好奇の視線が私達を取り囲んでいる。
私は恥ずかしくなり、どうしたらいいかわからずにうろたえる。
男プリーストが顔をあげ、私を見て先程と同じ笑みを浮かべた。
「嫌われたまま会えなくなったらどうしようかと思ってたよ。
本当にごめんね。」
そう言いながら、男プリーストは前髪を無造作に掻き上げた。
私はその何気無い動作に一瞬目を奪われた。
額の左側に大きな傷。
前髪に隠れてそんなに目立つものではないが、
明るい陽の下だとよく見えた。
まだ少し少年の面影を残す容姿に、
殴りプリーストの割には細身な体型。
何故かわからないが、不思議な印象を受ける人だった。
瞳の色のせいかな。
何色とは言い難い色をしている。
一見金色だが、よく見ると緑と水色が混じってるように見える。
「おチビちゃん〜?」
私はハッと我に返った。
男プリーストが私の目の前で片手をひらひらと振っている。
また私の悪い癖が出てしまっていたようだった。
考え込むと本当に周りが見えなくなる。
見ず知らずの人を遠慮無しに見つめていた事に気付き、
私は恥ずかしさのあまり、この場所から逃げ出したくなっていた。
「まだ怒ってるのかなぁ…うーん。」
下をうつ向いてる私の様子を見て、男プリーストが困ったように小さく呟く。
丁度その時、時を告げる大聖堂の鐘がプロンテラの街中に響いた。
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