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【百合も】生体DOP達に萌えるスレB2F【801も】

[36:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2009/08/06(木) 03:57:47 ID:sM0eP6xw)]
勝負がはじまってしまえば圧倒的な差があった。もちろん、マガレとエレメスが強い……という意味で。
2回戦まではセシルとセイレンが勝っていたものの、それは運に頼る部分が大きかったと言える内容だった。
特に、セシルが国士無双をツモったなどは、実力とは言えない部分である。セシルもセイレンもかなりツイていた部類だろう。
にも関わらず、圧倒的すぎる実力差のために、3回戦で逆転を許してしまった。

さて……麻雀を嗜んだ事のある方なら、セシルたちの打ち方は危ういと気付いていただろう。
正確には打ち方が危ういのではなく、実直な打ち方以外に対応できないというのが正解だが。
1つはイカサマである。並のイカサマであればセシルの動体視力で見破れるだろうが、相手をする側も並ではないわけだ。
実はエレメスなどは遊び方は知らなかったくせに、イカサマのやり方は熟知していた。
アサシンギルド在籍時にイカサマを見抜くために教わったらしい。もっとも、今回の勝負では今のところ使っていないが。
もう1つ、今回の勝負で使われたのは引っ掛けというものだ。
麻雀を知らない方には申し訳ないが、スジなどの定石を中途半端に学んだものが罠にかかりやすいという特徴を持った、つまりはひねくれた打ち方である。

エレメスは非常に合理的に打ち、セシルたちの高い手をかなり潰していた。時にはマガレに差し込むという手段も使った。
逆にマガレは上記の引っ掛けを多用し「安全なはずだ。」と出てきた牌で当たっていた。もちろん、合理的に打つという手段も使った。
結果としてセシルたちは翻弄され、上がれるはずの高い手を逃す、という失態をも見せていた。

余談だが、カヴァクがエレメスやマガレに渡した麻雀資料には引っ掛けや差し込みのような技術も載っていた。
その人に合った資料を渡したい!とか無駄に張り切ったカヴァクの無駄な熱さの賜物だったりする。無駄すぎる。
更に言えばトリスやアルマに渡した資料にも同様の内容が、逆にセイレンやセニア、イレンドに渡したものには合理的な打ち方しか載っていない。本当に無駄な熱意である。
こういう展開を期待していた節がある分性質も悪いが、マガレに言わせればとてもGJだったようでもある。


「にひひ、それ当たりや。」
こちらでも引っ掛けを多様している少女が一人。
「え、その捨て牌でそれってなんで……。」
うろたえるイレンド。彼にとってまさか、と思うような振り込みなのだからしょうがない。
「あははー。そろそろ罰ゲーム確定かなー。ねぇ、セニア?」
楽しそうに言うトリス。
「まだ……まだ決まってません……。」
悲痛な表情で打ち続けるセニア。
イレンドとセニアのコンビが3Fのセイレンとセシルのコンビと同じ末路を辿っている2Fであった。


そして最終戦。
「これは……ダメかも……。」
勝負を諦めるわけにはいかない……というか負けたら色々危ない、とわかっていつつも諦め気味のセシルがそこにいた。
「最後まで諦めるな……。希望はまだ、ある……絶対に。」
セイレンも諦めてはいないが絶望的だと感じていた。負けても俺には関係ない、とか思ってしまう自分が嫌になってもいた。
3回戦の途中から、二人とも全くあがれなくなっていた。最終戦になってもそれは変わらず。すでに半分がすぎていた。
エレメスの早い仕掛けとマガレの引っ掛けに翻弄されて疲れてきていたのもあるかもしれない。
そこに一滴の希望を注す天使……のような悪魔が。
「あらあら……。負けの大きさによって、好きにする内容を変えるっていうルールに変えても良いんですわよ?」
もちろん、今より大きく負けるようでしたら、今私が考えてる内容よりもたくさんいぢわるしちゃうわけですけど♪と考えつつも本音は隠しつつ、提案してみるマガレ。
「ほんと……?」
セシルの顔にやる気がみなぎる。
「でも、内容を変えるからには、もし万一セシルが勝っても、そちらの約束は……」
「それはいいわよ。それでも、勝ったら何もなくなるだけでしょ?」
マガレが言い終える前にセシルが言う。セイレンはなんとなくヤバいと思ったが、根拠がないため口を出せずにいた。
エレメスはなんとなくこうなる事が想像できていた、もちろん何も言わない。
「何か言えば拙者に火の粉がかかりそうな気がしたでござる。」と、彼は後で言いわけしている。
「そうですわ。……好きにする内容ですから、信じてもらうしかないのですけれど。」
マガレはそういう部分で卑怯な事はしない、という確信がセシルにはあった。確信というよりは信頼に近いが、その点では生体研究所に住む全員が信頼しているだろう。
ならば、問題ない。セシルはそう考えた。確かにその点では信頼はおけるが、判断は間違っている。
「それは信じるわよ。だから、新しい約束にして。」


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