- 1 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2004/08/08(日) 22:03 ID:tcUd8f/c
- ここは優しいアコたんとかアンドロイド少女とか特撮とか
見かけによらずクールなアコきゅんとかプリたんとかに お約束を守りながら皆で仲良くキュンキュンするスレです(希望)。
下はイメージです
キュンキュンッ!!!! ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ヽ( ゚∀゚ )人( ゚∀゚ )人( ゚∀゚ )人( ゚∀゚ )ノ へ( ) ( ) ( ) ( )へ く / \ / \ ノ
とりあえずこれまでのまとめを小説スレのあぷろだ(前々スレ31氏thx) ttp://tfc55.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/ss_up/rag_ss/mekaako1.zip トリスとウスラー 軍団長 宰相 フィーア ポリマユイ剣士くんセット(前々スレ48氏thx) ttp://tfc55.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/ss_up/rag_ss/syoukai1.zip 第一章メカアコたんvsウスラー小説版(前々スレ235,244氏thx) ttp://tfc55.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/ss_up/rag_ss/meka.zip 設定資料(前スレ29氏thx) ttp://tfc55.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/ss_up/rag_ss/1075160600.zip Ragnarok Online小説投稿所(ご利用は計画的に) ttp://tfc55.hp.infoseek.co.jp/
- 163 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/03/03(金) 21:32:35 ID:8I85j0tU
- 今日は雛祭り
RO内じゃ特にイベントなさそうだけど いつもの時事ネタの方降臨希望
- 164 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/03/05(日) 01:50:55 ID:Ein3QAMo
- 〜アマツにひな壇が設置されました〜
アコたん「メカアコたん,知ってる?アマツにひな壇が出来たらしいよ」 メカアコたん「ひな壇ってなに?」 アコたん「さぁ?私も知らないの。だからね・・・見に行こうよ!」 メカアコたん「うん!」
プリたん「ふぅん,そう。アコたん達はアマツへ行ったのね…」 白薔薇「紅薔薇は心配じゃないのですか?彼女達はあの『ひな壇』を見に行ったのですよ!」 プリたん「別に。私は私の妹を信じているわ。それに私たちだって8歳で修了したじゃないの。貴方と私で」 白薔薇「わ,私だって自分の生徒を信じていますよ!アコたんは才能のある生徒だから,きっと…」 プリたん「だから,ね。貴方の授業の成果ってやつを見に行かない?」 白薔薇「やっぱり行きたかったのですね…」
アマツ 海の果てにあるこの国に,そのひな壇は不思議と調和していた。 道ばたに脈絡もなく現れたこの巨大なひな壇を,街ゆく人々がそれぞれの表情で眺めている。 もちろんアコたんとメカアコたんも,ひな壇を見上げていた メカアコたん「大きいね〜」 アコたん「うん。でも少し不気味なお人形…,それに真っ赤だし…」 大陸育ちのアコたんにとって,アマツ風の人形は馴染みがなかった。人形は薄笑いを浮かべており,壇の敷物は血の色だ しかし,メカアコたんはそんなことお構いなしに,もっと近くで見ようとしてひな壇に近づいていく。その姿にアコたんが 何となく不安を覚えたとき,パンッという軽い破裂音とともに,メカアコたんの頭部が軽く揺らいだ
アコたん「メカアコたん大丈夫!?」 メカアコたん「うん,かすっただけだから。でもどこから…」
メカアコたんの熱感知センサーがめまぐるしく動き,一点を捉えた。三人官女の持つ柄杓から硝煙が立ちのぼっている メカアコたん「まずっ…アコたん私の後ろにッ!」 アコたん「う,うん!」 アコたんが慌ててメカアコたんの後ろに隠れた一瞬後,アコたんのいた空間を,残り二人の官女が放った銃弾が切り裂いた アコたん「何なの,これー!」 メカアコたん「分からないけど,やるしかないみたいだね!」 そしてメカアコたんは,担いでいたパニッシャーを一振りし,戦闘モードのスイッチを入れた
- 165 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/03/05(日) 01:54:06 ID:Ein3QAMo
- メカアコたん「多目標対空防衛機構『イージス』展開ッ!」
プリたん「あー,やってるわね。やや押され気味かしら」 白薔薇「全く,貴方は呑気なものですね。下手をすれば死ぬかも知れないんですよ!」 アコたん「あ,お姉様〜。助けてください〜TT」 プリたん「それは出来ないわね。この『ひな壇』は,女の子の『健やかな成長』を願って作られたものなの。だから勝ちなさい。 勝って強い子に育ちなさい!」 アコたん「育つ前に死ぬかも知れないんですけど〜」
確かにメカアコたんも押されていた。三人官女や五人囃子の銃弾を防ぐだけで手一杯だ。 メカアコたん「まだ,お内裏様もお雛様もいるのに,これじゃやられるよ」 アコたん「ごめんね,メカアコたん。私が弱いから…」 そしてついにお雛様人形が動き出す。キリキリと真っ赤な唇が裂け,言葉を紡ぐ「中々保ッタホウジャガナ,トドメじゃ。雛弾『ひなあられ』!!」 メカアコたん「も,もうダメだよ。ア,アコたん逃げて…」 アコたん「そんな出来ないよ,どうしたら…」
「戦い方は教えておいた筈なんですけどね」 アコたんの背後から苦笑混じりの涼やかな声がした アコたん「白薔薇様…」 白薔薇「知らないことは無いでしょう。私たちINTプリーストの戦い方を」 アコたん「でも,私人を傷つけるような攻撃なんて出来ないです…」 白薔薇「そうね,でも貴方が助けてあげないとメカアコたんが壊れますよ?攻撃はまた,人を助ける手段であることも知っていてください。」 アコたん「…分かりました,白薔薇様…。私,やります!」
アコたんはお雛様に正対し,唱える アコたん「主と精霊と子の御名の元に・・・・・・ホーリーライト!!」 そしてアコたんが放った純白の光が,視界を白く塗りつぶした。
手を取り合って喜ぶアコたんとメカアコたん。それを満足そうに見つめる白薔薇と不満げなプリたん。 プリたん「なんであんただけ目立ってるのよー。私が来た意味ないじゃない〜」 白薔薇「いいじゃないですか。アコたん達が無事だったんだから。それに貴方じゃだめですよ」 プリたん「何でよ」 白薔薇「だってひな祭りは女の『子』の日ですもの」 プリたん「ほぅ,すでに私が女の子ではないと・・・。って,見た目がロリっぽいだけで,あんたと私は同い年でしょーが!!」 そしてプリたん必殺の右ストレートが,得意そうに人差し指を立てている白薔薇を3メートルほど吹き飛ばした。
- 166 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/03/17(金) 20:15:49 ID:Nz56UI7w
- 時事ネタ『プリたんのホワイトデー』
チョコレートを両腕に抱えたプリたんを,白薔薇が半ば感心したような視線で見ている 「相変わらずすごい人気ですねー」 「いや,まあ。はは…」 送り主は主にプロンテラ教会のアコライトの女の子達からだ それが一ヶ月前,バレンタインデーのこと
「お返しかぁ。妥当なところだとクッキーかケーキよね」 プロンテラ教会武装神官隊の隊長という職位を考えると,手作りホワイトチョコを作る暇は無さそうだった。 かといって,何もお返ししないというのも悪い。チョコレートはどれも力作揃いだったし 「仕方ないわね」 一人ごちてプリたんはポケットの中の青ジェムを取り出し,ルティエへのポタを開きはじめた
おもちゃ工場に入ると,プリたんを懐かしい空気が包んだ 「んー,久しぶり。昔はよくここで修練したものだけど」 慣れた足取りで工場内を歩くプリたん。そして目当てを発見する。機械仕掛けの小さな人形,クッキーだ。 彼らの中にはその名の通りクッキーが内蔵されている。プリたんは無造作に近づくと,右足で思い切り踏み込み人形を蹴り飛ばした 堅い外装の感触がプリたんの左足に伝わって,次の瞬間意外なほど軽いその人形は手近な壁に叩きつけられた。 キリ,キリ・・・と緩慢に歯車が軋む音を立て動きを止めた人形の中を探りクッキーを取り出す,つもりだった。 サラサラと乾いた音を立てて,小麦粉の固まりがプリたんの手をすり抜けていく
『粉砕したクッキー 1個獲得』
「あ,あら?」 どうやら力加減を誤ったらしい。昔の調子で殴ってしまった 「オーバーキルかしら?時間がかかりそうね…」 手加減の具合を考えて思案顔になるプリたんの目の端に,赤い服を着たおもちゃの兵隊が映る 「くっ!」 なんとか背を反らして敵の弾丸を避けたプリたんの背後の壁が,ばちっと爆ぜる。おもちゃの銃とはいえ威力は本物だ 接近戦しかできないプリたんは間合いを詰めなくてはならない。プリたんが走り出すその一瞬前,2種類の詠唱が聞こえた 「ニューマ」「ソウルストライク…」 プリたんの目の前で,弾丸が見えない壁にぶつかったように止まり,からんと床に落ちる。と同時に,念弾がクルーザーの 銃を叩き落とし,次弾が胴体,頭部,頸部にそれぞれ着弾する。クルーザーはその場で停止し崩れ落ちた
- 167 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/03/17(金) 20:17:22 ID:Nz56UI7w
- 今の詠唱から感じるに両方とも相当な使い手だ。ミッドガルド大陸でもほぼ最高クラスの。そして声に聞き覚えがある
「白薔薇,貴方ね?そして…青ちゃん?」 プリたんの声に答えるようにして,壁の陰からひょっこりと幼なじみのプリーストとウィザードの二人が現れた
青ちゃんと呼ばれたオペラ仮面で素顔を隠しているウィザードが遠慮がちな声をかけた 「あの,できればその呼び名は止めてほしいのだが…」 「いいじゃない,呼びやすくて。大体『だが…』って,その口調はなによ格好つけちゃって,もー」 青髪のウィザードの提案は,無情にも肘打ちと共に却下された。オペラ仮面の裏にキラリと涙が見える 「それにしてもうまくいってないようですね,紅薔薇」 「べ,別に…。これから…そう,これからうまく行く予定だったのよ!」 冷や汗をかき弁解するプリたんをよそに,白薔薇は粉々になったクッキーを見て嘆息した 「だから手伝ってあげますよ。私たちが」 確かに,彼女達は最高クラスの術者だ。ここは素直に手伝って貰うべきだろう 「そうね,有り難いわ。お願いできるかしら」
ザッー,応えて白薔薇が得意げに一歩を踏み出す 「ふふふ,紅薔薇にそこまで懇願されると断り切れませんね。主のお力をこんなことのために使いたくはないのですが」 「いや,別に懇願までしてるわけじゃないわよ?」 プリたんのつぶやきを聞き流されてし,白薔薇が手を合わせ,祈り始める 「父と子と精霊の御名において,主よ,お守りください。主の忠実なる下僕に邪悪を切り裂く力をお与えくださいー 父と子と精霊の御名において…ホーリーライトッ!」 白薔薇が放った純粋な「力」が容赦なくミストケースを打ちのめす。 白薔薇がミストケースの上蓋を取り,中からケーキを取り出そうとして,固まった
『粉砕した一口ケーキ 1個獲得』
「あら?変ですね」「あら,じゃないわよ。あんだけ勿体ぶった詠唱しといて,あんたも私と同じじゃないの!」 心底不思議そうに白薔薇が小首をかしげる。彼女の容姿の幼さと相まって,かなり可愛らしい。その彼女の頭をプリたんがはたく そのやりとりを見て,青薔薇が嘆息した 「ふぅ,力を制御できていない証拠だな。制御できてこそ力には意味があるというのに」 そして軽く息を吸い詠唱する 「ファイヤーボルト!」
『炭化したクッキー1個獲得』
難しい顔で黒こげになったクッキーを見つめる青薔薇 「むぅ」「他に言いたいことがなければ,私の拳で沈むがいいわ」
- 168 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/03/17(金) 22:38:43 ID:eihcEmXU
- 「あれだけ大見得きっといて,何やってるのよ!少しは加減したらどう?」
「紅薔薇こそ一番手加減しやすそうな素手プリじゃないですか!」 「氷系魔術ならアイスクッキーが・・・」 体術,神術,魔術それぞれ最高位の術者三人が不毛な論争を続けているところに,とてとてと歩み寄るアコたん
「お姉様〜」 「アコたん?どうしたのこんなところで?」 アコたんはその小さな手を開いて,クッキーをプリたんに手渡した 『よく焼いたクッキー 3個獲得』 「あ,これ・・・」 「お姉様がクッキー集めてるって聞いたんです。だから私も手伝おうって,メカアコたんと」 見れば遠くでメカアコたんが,速乾性粘着弾を放っていた。動きの止まったところでクッキーを回収している。瞬く間に増えるお菓子 「これだけあれば大丈夫ね。アコたんありがとう」 「え,えへへ〜」 プリたんに感謝されたのがうれしくて,アコたんが照れ笑いする横で,白薔薇と青薔薇が頷いている 「やはり私たちの功績が大きいな」「ええ,ご飯一食作ってくれるくらい大きい功績です」 「あんたらは何もしてないでしょーが!・・・・・・まぁ,いいわ。手伝って貰ったのは確かだし,ご飯くらいなら作ったげるわよ」 一同はほくほく顔でおもちゃ工場を後にした
その日の晩 なんとか全員にお返しを済ませたプリたんは,自室に帰り少し思案してからまた部屋を出た。そして,アコたんの部屋の扉をノックする 「アコたん,いるかしら?」「はいー」 ぱたぱたと走り寄る音がして,木製の扉が開かれる。キィと軋む音と共にアコたんが顔を出した 「今日はどうもありがとうね。助かったわ,本当に」 そのアコたんに,プリたんは苦笑しながら簡単にラッピングされた小箱を手渡す 「いえ,そんな!そんなに気を使って貰わなくても私・・・ご飯まで頂いちゃって」 少し慌てて返事するアコたんを,プリたんは微笑ましく思った 「あの,これ私が採ったのは確かだから…じゃ,おやすみアコたん」 「はい,お休みなさい。ありがとうございました」 ローブの裾を翻したプリたんの背後で,再度扉の軋む音がした
箱の中には,粉砕したクッキーと流麗な文字で綴られた短い手紙が一通 「ありゃりゃ,これじゃ食べられないね」 「うん。でもいいんだよ,メカアコたん。私の宝物にするだもん」 小箱を嬉しそうに抱きしめたアコたんを,メカアコたんは不思議そうな顔で見ていた
- 169 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/05/16(火) 20:35:07 ID:oIqs7p7w
- プリたんがロードオブデスと戦っていた頃,城門の前には無数のブラッディマーダーの死体が積み重なっている
その死と破壊の中心に立っているのは一人の騎士。そしてその騎士トリスも,彼が作った死体と同様の重傷であった 「ぜぇ・・・はぁ・・・俺も死ぬかも・・・」「お前に死なれると困る」 このような状態でも至極冷静な右腕の声に答える余裕もなく,彼は死体から残った敵に向けて視線を上げた 「ハハハハハハ!うめぇ,うめぇ。大したもんじゃねえか。やっぱりやるなぁ」 ぱちぱちとからかうように拍手をしながら,他より二回りほど大柄なブラッディマーダーがトリスの前に歩み寄る。相手の表情は 仮面に隠れているが,ありありとその表情は想像できた 「だが,それもここまでかよ。もう傷を塞がないのか?俺を鎧ごと引き裂かないのか?騎士様よぉ」 正直敵の言うとおりだった。ウスラーの『再生』にも限度がある。動力源であるトリスの血も流れすぎていた 「・・・でもな,お前は殺す。アコたんを殺したお前は許さない・・・」 気を抜けば一気に崩れそうになる膝をハルバードで支えながら,トリスは相手を睨み付けた。
「ハハハ!」 笑いながらその顔面に手斧が振り下ろされた!ガチッ,と鈍い音がしてヘルムが吹き飛び,そのままの勢いでトリスは地面に叩き伏せられた 「殺す?許さない?そのセリフは俺に勝手から言えってんだよ!」 「ぐぁっ!」 次々と降り注ぐ斬撃を槍であるいは鎧でなんとか逸らせ,かろうじて致命傷を避ける 「死ねよ,あのアコライトと同じようにな!」 「・・・アコたんを泣かせたんだな・・・」 「ああ,いい声で鳴いてくれたぜ。七回,いや八回だったなぁー。何度殺しても飽きねぇ,最高にイイ声だった。てめぇも・・・」 がきんっー,ブラッディマーダーの声は彼の手斧が弾かれる音で中断された。そして 「ほう,これは・・・」 いつになく感心した声をトリスの右腕が上げる。その腕が握ったハルバード,これがブラッディマーダーの手斧と仮面を吹き飛ばしていた。 「これが精神力でカバーというものか。人間とは不思議なものだ。もう我を作動させることは出来ないのかと思っていたぞ」 「くっ・・・そ,感心してる場合かよ・・・それにさっきのが最後の一撃だって・・・の」 「なら一撃で止めを刺せ。致命傷には程遠いぞ」 「・・・しょうがないだろ,体が勝手に動いたんだから!」
ふと,攻撃が止んでいるのに気がついてトリスが目をやると,ブラッディマーダーは大した傷もなく,まだその位置に立っていた 「やっぱりだ,やっぱりお前はやる。あの時と同じだ」 「え,お前・・・まさか!?」 トリスの普段あまり使うことのない脳が,珍しく迅速な答えを出す。彼が以前捕縛した大量殺人犯,ゲフェンの農村部を中心に 猟奇殺人を繰り返した男と同じ顔だった 「忘れてねぇみたいだな,嬉しいぜ。そうだよな,なんせてめぇが殺した男の顔だもんなぁ,ハハハハハハ!」
- 170 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/05/16(火) 20:35:35 ID:oIqs7p7w
- 「じゃ,他のマーダーも・・・」
「そうよ,ぜーんぶ今までお前が殺してきた奴らだぜ。全く罪深い騎士様だ,俺の殺した人数の何倍だよ?」 ショックを受けるトリスに囁く 「でも・・・でも俺は自分の愉しみで殺したんじゃない・・・騎士として,民衆のためにやっただけで・・・」 「てめぇの都合なんざ,死んだ方は関係ないぜ。てめぇを殺して,恨みを晴らすのさ!」 そして,うなだれるトリスの頭上にブラッディマーダーの手斧が振り下ろされた。ウスラーが警告を発する 「避けろトリス!」
次に来たのは,横殴りの凄まじい衝撃だった。巨大な拳がトリスの,そしてブラッディマーダーの横面を張り飛ばす!ゴミのように 錐揉みし大の男二人が転がっていく。斬られたほうが痛くなかったかもしれない 「う・・・おあぁっ・・・!?」「だから,避けろと・・・」 脳震盪を起こしかけているのだろう,定まらない視界に移ったのは・・・虎だった。白銀の虎がにらんでいる。プロンテラ騎士団の 最高幹部『白の騎士』の一人,白虎将軍の衣装を着たその男が吼えた 『貴様,それでも戦士かぁっ!』 脳に響く声に意識が遠のきそうになる。少し声を落とし,しかしその鋭さは変えぬまま声は続く 「情けない,情けないぞおっ!戦士がいちいち死んだ人間の事を気にしてどうする。そんなものは僧侶にでも任せておけぃ! 罪人は殺せ,それだけの事をしてきた奴らだ。犠牲者の恨みを代行できるのは戦士だけだ!戦は仕事だ,相手もお前を恨んでは いない。恨むのは腰抜けだけだ!」 そして,返事を待たず大股で歩み去る白虎が背中越しに語る 「戦士なら,漢なら常に前を見ろ!自分の信じる道を,振り返ることなく前へ進め!では,さらばだっ!!」
トリスはなんとなくこの声に,それにましてこの拳の力強さに覚えがあった。ぐらぐら揺れる視界は無視して一気に立ち上がる 「あんたは・・・まぁ,いいや・・・。よし・・・!」 さっきの殴打で体力は限りなく0に近かったが,不思議と体は軽くなっていた 「ウスラー,最後の一撃いけるか?」 「さっきのが最後だった気がするが・・・いいだろう,もう一度力を貸そう」 そしてウスラーはトリスの手甲を外し始めた。ばちん,ばちんー,と皮のベルトを外し,右腕を顕わにする,と同時にずるりと 30pほど爪を伸ばした。 「どこでも良い,我の爪で相手を傷つけろ。それで終わる」 「・・・?・・・わかった」 本当はウスラーの考えている事は分からなかったが,それでもトリスはウスラーを信じることにした
- 171 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/05/16(火) 20:41:05 ID:oIqs7p7w
- 頭を押さえながらブラッディマーダーが呻く。辺りにはすでに白虎の姿はない。その代わりに敵の騎士が立ち上がり歩みを進めていた
「死に損ないがぁ!俺を殺したことを償わせてやる!」 そして今度こそ,騎士の脳に手斧を振り下ろした。騎士も答えるように槍を振るが,全く間に合っていない。受けることも出来ずに 騎士の手から槍は落ち,振るわれたのは素手のみ。その先端がブラッディマーダーの手を掠める 「くっ・・・浅かったか・・・」「いや,我らの勝ちだ」 そしてー,ブラッディマーダーの手は崩れ落ちた
サラサラと音を立てて黒い粉が降る。右手から始まった浸食は既に二の腕にまで達している 「うおおおっ!?これは,なんだ!俺の,俺の腕がぁ!?」 「『再生』の応用で,細胞の分裂を極限まで早め壊死させる。この作用を我の制作者は『腐敗』と呼んだ」 「やめろ・・・死にたくねぇ・・・・・・」 「細胞の寿命を使い切ったのだ。もはや,我にも止められぬ」 冷徹なウスラーの声に,耳を傾ける余裕もなくブラッディマーダーは崩れ落ち,地面には人型の黒い粉が残された 「・・・本来なら,他人の怪我を治すための能力だったが,成功しなかった・・・」 ウスラーの声を聞きながら,トリスも地面にへたり込んだ
>>159辺りに続く
自分設定満載で出しそびれてたけど,最近カキコないので投下〜
- 172 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2007/07/10(火) 09:46:59 ID:r7s7Uh8Y
- ドラゴンサンダー!
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