◆みんなで創る小説Ragnarok ♂萌え2冊目◆
[34:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/08/24(水) 19:36:51 ID:Axt2EEwM)]
不満気な顔のまま振り向いた剣士に、ハンターは言葉を掛ける。
「流石に歩けないほど腰痛めたら、いくら面倒臭がりのお兄さんでもちょっとは行動改めるでしょ」
ね、とハンターは笑ってみせるが、剣士は首を横に振る。
「駄目ですよ。お兄ちゃんこの間も聖堂で本読んで、そのまま寝ちゃってたんですよ」
朝の掃除に向かった新米のアコライトが、
倒れているプリーストを見つけ、死体かと思って悲鳴を上げたそうだ。
その悲鳴に目を覚ましたプリーストが呑気におはようなんて声をかけたものだから、
哀れなアコライトはそのまま卒倒したという。
後でプリーストに問えば、「宿直室に戻るのが面倒だったから」なんて答えていれば、
剣士が怒るのも当然であろう。
「……あー、うん、そりゃ駄目だね」
幾分げんなりした顔でハンターが呟いた。
「でも夏だったし、聖堂でそのまま寝ても風邪ひかなかったし……」
「そういう問題じゃないでしょ!」
弁解しようとした兄を、妹は一言で切り捨てた。
「一緒にお昼食べようと思って図書館行ったらこれだもん。
お陰で剣士ギルドのお勤め、遅刻じゃない」
「行かなくていいの?」
「行くに決まってるでしょ!」
そう言うと、剣士は寝台の脇に立てかけておいた剣を腰に提げ直し、
ハンターに向かい直ってぺこりとお辞儀した。
「こんな事で呼び出しちゃってすみませんでした」
「いや、大丈夫だよ。早く行っておいで、後はちゃんと見ておくから」
苦笑して答えたハンターにもう一度礼を言うと、剣士はプリーストを見た。
「それじゃあ、今日一日は大人しくしててよ」
「してるから、そこの棚にある本……」
プリーストはそう言いかけたが、
剣士とハンターの両方に睨みつけられ、やっぱりいいですと呟いた。
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