◆みんなで創る小説Ragnarok ♂萌え2冊目◆
[62:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/12/27(火) 22:15:51 ID:FB0N0Omg)]
一体どのぐらいの間、泣き続けたのだろう。
喉が嗄れる程に泣いて、ようやくセージの気持ちもおさまってきた。
いつの間にか、大騒ぎを止めたドラップスとポリンが、セージの前に佇んでいた。
「ご主人……」
「ごめんなさい、ご主人さま」
悲しそうな二匹の声に、セージは抱きしめていたポポリンから顔を上げると、袖でごしごしと目元を擦った。
省略24
[63:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2006/03/06(月) 22:02:07 ID:PbA83NXw)]
あれ、という声に、ウィザードの青年は、座ったまま読みかけの本から顔を上げた。
「先輩、もう戻ってたんですか?」
先輩、と彼を呼ぶのは、まだ少年に近い男の声だった。
じっと文字を見ていた為か、乾きを覚えた目を閉じ、指の腹で軽く押さえる。
その後、声の聞こえたほうに目を向ければ、部屋の入口の扉から、金髪の頭を覗かせたノービスがいた。
「夕食の後、そのまま部屋に来たんだが」
省略17
[64:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2006/03/06(月) 22:02:33 ID:PbA83NXw)]
足だけで器用に靴を脱ぎ、ノービスは寝台の上にごろりと転がった。
「夜遊びなんて言いますけど、まだそれほど遅い時間じゃないですよ」
寝転がったまま、ノービスはウィザードの向こうにある窓を見る。
満月が、空の半ばほどで金色に輝いていた。
「けれど、わざわざ散歩するような頃でもないだろう」
「えー、そうですか?」
省略18
[65:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2006/03/06(月) 22:02:55 ID:PbA83NXw)]
部屋の中に吹き込む風の心地良さに、ウィザードは本を開いたまま、少しだけ目を細めた。
「もう冬も終わりですかね?」
ノービスが振り返り、ウィザードに尋ねる。
「流石にまだ早いだろう」
そう呟いたウィザードは、細めていた目を閉じ、指で軽く押さえた。
冷たくないとはいえ、本を読み続けていて幾分疲れた目には、夜風は少々染みた。
省略16
[66:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2006/03/06(月) 22:03:26 ID:PbA83NXw)]
目を塞いだのは、間違いなくノービスの手の平である。
額にあてられていた手が、瞼を押し下げるように滑り落ちたのだ。
「……見えない」
文句を言えば、ノービスはだって、と口を開く。
「見えたら本読むんでしょ? 熱上がりますよ」
「そんな簡単に」
省略16
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