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◆【18歳未満進入禁止】みんなで創る小説Ragnarok ♂萌エロ 第2巻◆

[21:Kni×Wiz-1(2005/08/20(土) 17:58:42 ID:mLusgup2)]
 いつもなら風呂に入る順番は一番風呂の好きな騎士を気遣ってウィザードの方が後になる。
しかし、騎士が武器の手入れに集中している時等はウィザードが先に入ることもある。
今夜はそういう日だった。

 昔は風呂があまり好きではなかった。出来るなら今でも好き好んで入ることはしたくない。
が、今では入らざるを得ない場合が多いので仕方なくという事が多い。
既にバスタオル一枚姿のウィザードは溜息をつきながら洗面台の端に片手で眼鏡を置いた。
すぐにバスタブには入らずにシャワーの蛇口を捻り湯加減を確認する。
まだ冒険者として駆け出しの頃に初めて宿に泊まった時に
浴室でシャワーの下にいる状態で蛇口を捻ったら
冷水をもろに被ってしまった失態が身についているので
あれから同じ間違いはしないようにと心掛けている事の一つである。
安い宿にはよくあることだが、シャワーから水が出なかったりすることは
結構頻繁に起こるのでその確認も兼ねている。

 手にあたる水がぬるま湯に変わっていく。
丁度良い加減になるには少し時間がかかりそうだ。
するとウィザードは意味無く低い天井を見上げ、今日あった事を振り返ってみることにした。
ゲフェニアダンジョン3階に行って狩りを楽しんでいた。
2人だけなので無茶なことはしないし、
騎士はというと自分に合わせてペコから降りて両手剣を奮うし、
といったどことなくアンバランスなものだったが、
ウィスパーからリンゴが出たり、グールカードがポロリと落ちたり、な
お約束の場面も見られてウィザードは思わず失笑してしまった。
今こうやって思い出しても吹き出しそうである。

「お前はいつから風呂に入る時に笑うようになったんだ?」
「!!?」

 ビクッっと大げさに肩が跳ねた。いきなり声を掛けられるとは夢にも思わず、
それに加えて声の主は今しがた頭に思い浮かべていて一番出てきた人物その人だったからだ。
冷や汗と焦燥で早まる鼓動を鎮めようとしながらも、
ウィザードは何とか誤魔化そうと思考をフル回転させる。
しかし、それとは裏腹に自分の顔面が赤くなっている。
風呂場で噴き出すように笑うなんてどう考えても変態の類に見られてもおかしくはない。

「あの…私がまだ入ってるんですが。」
「どー見ても入ってるようには見えんな。まだ湯加減見てるだけじゃねーか。」

 騎士はそう言いつつもまだ風呂に入るような素振りではなかった。
ウィザードがどこと無く感じた騎士の違和感の先を見ると、
右手にはすらっと赤い線が浮かんでいた。
どうやら武器の手入れをしていて指を切ったらしい。

「私がとやかく言う立場じゃありませんが、素手で武器の手入れはどうかと。」

 やれやれと首を軽く振りながら、ウィザードはシャワーを止めつつ眼鏡をはめて騎士に近づいた。
そして、いつもやってるように騎士の右手の傷の手当てをしようと
ヒールクリップを取り出し―――

「……。」


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