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【18歳未満進入禁止】みんなで創る18禁小説Ragnarok ♀×♀ 第6巻【百合】

[74:lily love(2009/01/27(火) 10:26:52 ID:f8uD9o0U)]
「まず私の見解から。知ってのとおりとは思いますけど共通確認として」

肉体を駆使するテコンキッドから分かれた拳聖・ソウルリンカーの最も大きな差異は何か。
一言で表すなら、「幽」と「霊」の違いと考えられる。
片や「幽」の世界に接続し、片や「霊」を憑依させ、力を操る。
と、これはお互いの共通見解なので一息に説明した。

その「幽」と「霊」を調べるにあたっての問題は…、

「問題は、テコンの修行を経ずに、この境地にどうやって辿り付くか、なんだけど」

先輩が割って入る。
もうっ。でしゃばりなんだから…。
まあ、彼女としてはその程度、聞くまでも無いんだろうけどね。
軽く折られた話の腰を持ち直し、考察を続ける。

「…コホン。そう、そのヒントは、テコンの属性とする「肉体」にあると思います」

一旦ここで言葉を止めて先輩の様子を伺う。
特に意見を挟んでくる様子も無く、理性の篭った目で続きを促してきた。

「肉体、それに宿る理性の殻を破った果てにある境地こそ、「幽」と「霊」の接続点」

理性は肉体について回る。
肉体の無いもの――例えば無形種族――に宿る理性は無い。
つまり、肉体の無いもの『幽・霊』にアクセスするには、理性を解き放つ必要がある。
テコンはその過酷な修行によってコントロールする術を会得し、次なるステップへと進むのだ。

「その方法が、肉体の鍛錬を通した極限への到達、というわけね」

私がそれに頷く。
さすが、専門以外のことでもよく知っている。

「でも私達にそれは出来ないわ。研究者であって求道者ではないのだもの」

想定内の答え。
そう、彼らにしか出来ないことが私達にも出来たら、職業なんて分ける必要は無いのだ。

「ええ、そうですね。でも…」

ここで少しもったいぶって、考える…演技をする。
せっかく一芝居うつのだから徹底的にやってやろう。

「でも、鍛錬とは違うもう一つの方法があって、それならその境地に辿り付けるかもしれない」

「だから、それが何なのか、と聞いてるの」

いくらか待たせた後の言葉には、先輩の期待する答えを全く含めなかった。
彼女は、こと学問については天然ぶりなど素振りも見せず実に厳格である。
そこに由来するプライドは自ずと高くなりがちなもの、
私が少し焦らすような回答をすると、期待通りに深く食いついてきた。

仕上げに、心底困り果てたと言わんばかりの表情と声音を作り、

「あとは仮説を実行するだけなんですけど…私一人じゃそれが難しくて。ハァ…」

ため息一閃。
とやれば、もはや彼女にこのトラップを回避する手段は無いわけで。

「ちょっとせーちゃん、もっと詳しく説明しなさい。私が一緒なんだもの、絶対解明するわよ!!」

ここに一匹の獲物が引っ掛かりました。


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