◆みんなで創る小説Ragnarok ♂萌え2冊目◆
[60:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/12/27(火) 22:14:35 ID:FB0N0Omg)]
空腹の歌と雨音を聞きながら、セージは寝台の脇から踏み台を拾い上げた。
ペット達の餌を入れた袋は、戸棚の上のほうに入っていて、背の低いセージでは届かないのだ。
戸棚の前に置いた踏み台に乗り、扉を開くと、あれ、とセージは首を傾げた。
「どうかしたッスか?」
いつの間にか歌うのを止めたドラップスが訊ねた。
「ご飯、なくなってたっけ?」
省略26
[61:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/12/27(火) 22:15:07 ID:FB0N0Omg)]
確かに、モンクは餌の袋を下の引き戸に入れてくれたのだ。
ポポリンを連れてきた数日後に、彼女はセージがわざわざ踏み台を持ち出して餌袋を取り出すのを見て、
下に移せば良いのにと言った。
だが、整理整頓が苦手なセージの戸棚は、下のほうまで乱雑に物が詰まっていた。
それを言うと、モンクは仕方が無いといった表情で笑うと、戸棚の片付けを始めたのだ。
「私が餌やりするときに、高い位置だったら取るの困るじゃない」
省略27
[62:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/12/27(火) 22:15:51 ID:FB0N0Omg)]
一体どのぐらいの間、泣き続けたのだろう。
喉が嗄れる程に泣いて、ようやくセージの気持ちもおさまってきた。
いつの間にか、大騒ぎを止めたドラップスとポリンが、セージの前に佇んでいた。
「ご主人……」
「ごめんなさい、ご主人さま」
悲しそうな二匹の声に、セージは抱きしめていたポポリンから顔を上げると、袖でごしごしと目元を擦った。
省略24
[63:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2006/03/06(月) 22:02:07 ID:PbA83NXw)]
あれ、という声に、ウィザードの青年は、座ったまま読みかけの本から顔を上げた。
「先輩、もう戻ってたんですか?」
先輩、と彼を呼ぶのは、まだ少年に近い男の声だった。
じっと文字を見ていた為か、乾きを覚えた目を閉じ、指の腹で軽く押さえる。
その後、声の聞こえたほうに目を向ければ、部屋の入口の扉から、金髪の頭を覗かせたノービスがいた。
「夕食の後、そのまま部屋に来たんだが」
省略17
[64:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2006/03/06(月) 22:02:33 ID:PbA83NXw)]
足だけで器用に靴を脱ぎ、ノービスは寝台の上にごろりと転がった。
「夜遊びなんて言いますけど、まだそれほど遅い時間じゃないですよ」
寝転がったまま、ノービスはウィザードの向こうにある窓を見る。
満月が、空の半ばほどで金色に輝いていた。
「けれど、わざわざ散歩するような頃でもないだろう」
「えー、そうですか?」
省略18
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