◆【18歳未満進入禁止】みんなで創る小説Ragnarok ♂萌エロ 第2巻◆
[26:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/09/23(金) 18:00:41 ID:vzm3Wxfg)]
未だぼんやりとした顔のままの騎士が部屋に入ると、プリーストはいきなりで悪いんだけど、と口を開いた。
「これ、どっか置いてくんない?」
そう言いながら、プリーストは目で胸に抱えた花束の山を示した。
騎士が受け取ると、花束の下から、白い三角巾で首から吊るされたプリーストの左腕が露わになった。
今は布団の中にあるので見えないが、プリーストの右足首にも包帯が巻かれている事を、騎士は知っていた。
ほんの少し騎士の表情が歪んだのだが、プリーストは気付かなかったようだ。
「誰か一人のだけ受け取るとさ、喧嘩になりそうだったんだよね」
「さっきの女の子達?」
「そそ」
騎士が花束を机の上に置いたところで、プリーストは無事な右腕を大きく伸ばした。
「あー肩凝った。動かないってのも疲れるわ」
言いながら、プリーストは長い髪の毛をかき上げた。
「両腕塞がってると髪の毛邪魔でもよけらんないし」
「結べばいいだろ。つか、何で結ばないの?」
いつも結んでるのに、と騎士が指摘すると、プリーストは無理無理と首を横に振った。
「片手で結ぶの難しいんだわこれが」
切っときゃ良かった、というプリーストのぼやきに、騎士は知らずのうちに口を開いていた。
「結ぼうか?」
言ってから、はっとした様子で、騎士は俯いた。
違う。
自分はそんな事を言える立場じゃない。
けれど、プリーストは軽く瞬きした後、唇に笑みを浮かべた。
「じゃあ頼む」
本当に嬉しそうに、彼はそう言ったのだ。
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