◆みんなで創る小説Ragnarok ♂萌え2冊目◆
[58:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/12/27(火) 22:12:50 ID:FB0N0Omg)]
彼女――小柄で活発なモンクの女性と知り合ったのは、半年ほど前のことだ。
昨晩夕食に連れ出してくれたバードの提案で、
普段ひとりの冒険者ばかりで集まって狩りに行ったのが、出会いのきっかけだった。
狩りよりも魔術論理の研究にかける時間のほうが長いセージだったのだが、
その狩りの後から、ちょこちょことモンクから誘いをうけては一緒に出かけた。
二ヵ月ぐらい経った時、じゃあねと帰ろうとした時、モンクのほうから告白されたのだ。
省略26
[59:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/12/27(火) 22:14:03 ID:FB0N0Omg)]
ふられて一日目は、何も考えられなかった。
ペットも孵化させずに、ただぼんやりと家の中で過ごしていた。
恋人だったモンクのことは、不思議と思い出さなかった。
二日目も同じ様に過ごしていたのだが、
どこからか失恋の話を聞きつけた友人のバードに、半ば無理矢理、食事に連れ出された。
その時になってようやく、一日目、二日目とロクに食事をしていなかった事に気付いた。
省略25
[60:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/12/27(火) 22:14:35 ID:FB0N0Omg)]
空腹の歌と雨音を聞きながら、セージは寝台の脇から踏み台を拾い上げた。
ペット達の餌を入れた袋は、戸棚の上のほうに入っていて、背の低いセージでは届かないのだ。
戸棚の前に置いた踏み台に乗り、扉を開くと、あれ、とセージは首を傾げた。
「どうかしたッスか?」
いつの間にか歌うのを止めたドラップスが訊ねた。
「ご飯、なくなってたっけ?」
省略26
[61:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/12/27(火) 22:15:07 ID:FB0N0Omg)]
確かに、モンクは餌の袋を下の引き戸に入れてくれたのだ。
ポポリンを連れてきた数日後に、彼女はセージがわざわざ踏み台を持ち出して餌袋を取り出すのを見て、
下に移せば良いのにと言った。
だが、整理整頓が苦手なセージの戸棚は、下のほうまで乱雑に物が詰まっていた。
それを言うと、モンクは仕方が無いといった表情で笑うと、戸棚の片付けを始めたのだ。
「私が餌やりするときに、高い位置だったら取るの困るじゃない」
省略27
[62:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/12/27(火) 22:15:51 ID:FB0N0Omg)]
一体どのぐらいの間、泣き続けたのだろう。
喉が嗄れる程に泣いて、ようやくセージの気持ちもおさまってきた。
いつの間にか、大騒ぎを止めたドラップスとポリンが、セージの前に佇んでいた。
「ご主人……」
「ごめんなさい、ご主人さま」
悲しそうな二匹の声に、セージは抱きしめていたポポリンから顔を上げると、袖でごしごしと目元を擦った。
省略24
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